心身ともに成長がうかがえるサクラプレジール(撮影:佐々木祥恵)
オークス(GI・芝2400m)に出走予定のサクラプレジール(牝3・尾関知人厩舎)、スイートサルサ(牝3・菊川正達厩舎)についての、管理する各調教師のコメント。
サクラプレジールについて、尾関知人調教師。
「ウチの厩舎にいる全姉(サクラオードシエル)は神経質なところがあるのですが、妹のプレジールは精神的にも落ち着きがありましたので、デビュー前から楽しみだと思っていました。デビュー前は追い切りの動きも良かったので期待はしていましたが、こちらが思っていた以上のレースをして勝ってくれました。
2戦目のフラワーC(GIII・芝1800m・1着)は、馬場状態も難しいところがあったのですが、ジョッキーもうまく乗ってくれましたし、馬もよく頑張ってくれました。桜花賞を使えればと思ったのですが、状態的に良い競馬ができるかどうか難しいと感じましたし、デビューも遅くて先が楽しみな馬でしたので、オーナーやジョッキーとも相談してオークス1本という形になりました。
先週、先々週と横山(典)騎手に跨ってもらったのですが、いい休みになったという感触を掴んでくれたようです。あとは精神面での強さも評価してくれています。牝馬はカリカリしている馬が多いですが、この馬はドッシリとしていて、走らせるまでは無駄なことはしませんし、いざ行けと指示を出すとしっかり反応してくれる馬なんですよね。そのあたりをジョッキーも評価してくれているようです。
休ませたおかげで痛いところもなく、飼い葉も食べています。今回は距離が長くなりますし、前走から間隔が開いていることもあり、先週、先々週と心肺機能を高める意味で、ウッドチップコースで長めからやり、今週はほぼできてきていましたので、今日は坂路で追い切りました。
ある程度坂路でしっかりやって最終調整というイメージではあったのですが、予定よりは時計は速かったですね、ただ馬は無理している感じもなかったので、それだけ調子が良いのだととらえています。
2歳時に、ゲート試験を受けただけで1回休養に入った時期から比べると、今年2月に新馬を使う時にはかなり成長していたのですが、フラワーCの後からオークスに向けて調整をしていく中でも、さらに心身ともに成長している手応えがあり、その点では心強いですね。
距離が長いので、あまり体が立派過ぎてもと思いますし、競馬の時には480キロ前後が理想だと考えています。
乗って癖のある馬でもないですし、東京コースは新馬の時に経験をしているので、特に心配はしていません。コントロールしやすい馬ですし、血統面や精神面を考えても、2400mという距離でも、この馬の能力を問題なく出せると思っています。
テン良し、中良し、終い良しというタイプの馬なので、あとは展開や流れを読みながら、ジョッキーがゴールまで導いてくれればと思っています。
父のサクラプレジデントは、GIこそ勝っていませんが、とても素質のあった名競走馬でしたので、この馬の活躍で父もまた注目してもらえるようになれば良いですね。
昨年も、オークス、ダービーと出走させていただいたのですが、その緊張感やレースに向かう過程など、得難い経験ができました。またGIレースで勝ち負けするというのは、非常に難しく、さらに上を目指さしていかなければならないと感じていましたが、幸いにもまたチャンスを与えて頂いたので、何とかオーナーやこの馬に携わってきた方々に報いられるように良い結果を出せれば良いですね。
2戦2勝とまだ負け知らずで、どこまで強くなってくれるのだろうという夢を持てる馬だと思いますので、皆さまにも注目していただき、応援していたければと思います」
スイートサルサについて、菊川正達調教師。
「馬はもうできていますから、今日は反応を見ながらサラッとやりました。この馬はピリッとしたところがあるわりには、意外と休み明けは良くないんですよね。新馬(3着)の時もフェアリーS(5着)もそうだったように、前走のフローラS(GII・芝2000m)の6着も、2月のクイーンC(GIII・芝1600m・2着)から間隔が開いていたからかもしれません。1度叩いた方が、理想的だと思います。
牝馬なのでチャカチャカするようなところもありますが、今のところ我慢できていますし、この馬なりに落ち着いてきています。体も細くもないですし、馬の感じも良いですよ。
折り合いはつくので、距離も克服できると思っています。切れるタイプなので、良馬場でやりたいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)