坂路で抜群の時計を計時したロードカナロア(撮影:井内利彰)
19日の雨が残ったわけでないが、今週のウッドチップ馬場は22日が少しだけ重め。しかも朝一番の時間帯という限定されたゾーンでのことだった。少しウッドチップが足されたような印象もあっただけに、馬場が悪くなって走りにくかったというよりも、新しい粗めのウッドチップにノメるような馬もいたということだろう。
逆に23日は22日の追い切りでウッドチップが慣れ、また掘り返されて、湿っていたウッドチップも乾いたという状況から、かなり時計の出やすい状況だった。
【坂路/4F51.9秒】
22日の一番時計は4F50.4秒のジョーメテオ(栗東・柴田光陽厩舎)。この時計自体は速いが、全体的に見ると、4F51.9秒以下が6頭しかいない状況。決して時計の出ない馬場ではないが、先週よりは少し時計が掛かる印象が残った。
そんな中でも、抜群の追い切りはロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)。当欄でもたびたび取り上げている馬だが、とにかく坂路での動きの良さは栗東所属馬ではNo.1。安田記念の1週前追い切りとなった今回は、スイートジュエリーとの併せ馬。ゴール前、一杯に追う相手に対して、持ったままの手応えで併入。そのラップは2F24.0〜1F12.0秒。普通なら、最後の1Fは減速して、時計が遅くなってしまうところだが、これを同じラップでまとめるところがこの馬の凄いところ。体調面に関しては、全く問題ない。というよりも、前走時よりも良化している印象すらある。
先週の馬場差は「+0.0秒」。冒頭にも記したように、22日は全体的に気持ち時計が遅くなっているので『+0.3秒』、23日は先週と変わらない印象だったので『+0.0秒』で計測した。
【CW/5F66.5秒】
極端に時計が掛かるようになったとは思わないまでも、22日の朝一番の追い切りは気持ち時計が掛かるような印象。時間が経つにつれて、時計の出る状態に戻り、後半の時間帯になると、完全に先週と変わらない、速い時計が出ていた。
その後半の時間帯、2回目のハロー明けに追い切られたのが、カフナ(栗東・池江泰寿厩舎)。エアルプロン、ロードランパートを追走する形で、直線は内。抜群の手応えで並びかけると、2頭を一瞬、置き去りにして、最後はエアルプロンと追い比べる形。ただ、手応えには余裕があり、しっかりと先着。時計は6F82.2秒と決して速くなかったが、中身のある併せ馬だった。これなら、初重賞制覇も十分可能性があるのではないだろうか。
22日は時間帯で若干時計が掛かっていたが、日中で見ると、馬場差を変えるほどではないため、22日、23日とも、先週と同じ『-2.0秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
好天が続いた先週と違い、19日の降雨で通常通りの馬場に戻った。相変わらず、この馬場で好時計をマークするのが、サンレイレーザー(栗東・高橋義忠厩舎)。藤岡康太騎手が跨って、単走での追い切りだったが、6F76.5〜5F63.4〜4F50.1〜3F36.5〜1F11.8秒と抜群の数字。安田記念に出走しても、きっと面白い存在になったと思うが、現時点では除外対象。翌週のエプソムCを予定しているようなので、ぜひ、そこで初重賞制覇を果たしてほしい。
馬場差は先週よりも時計が速く、先々週と同じということで『-1.0秒』で、22日、23日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)