体調に関しては文句なしのサクラゴスペル(撮影:佐々木祥恵)
安田記念(GI・芝1600m)に出走予定のサクラゴスペル(牡5・尾関知人厩舎)、及び、土曜日阪神競馬場で行われる鳴尾記念に出走予定のダイワファルコン(牡6・上原博之厩舎)についての陣営コメント。
安田記念に出走予定のサクラゴスペルについて、横山典弘騎手。
「先週、先々週とここまで順調に来ています。いつもウッドチップコースで追い切っていますが、今日の追い切りはポリトラックといつもと違うコースでやったせいか、元気が良かったですね。サクラプレジデント産駒ということもあり、普段も少し気難しいところがあるみたいですからね。サクラプレジデント産駒は、性格が真面目ですね。プレジデント自身も折り合いが大変だったみたいですが、燃え過ぎる面が産駒に出ることもあるようです。
去年の11月に1400mのレースで逃げ切った時に、1ハロン短くなってどうなのか、1ハロン長くなってどうなのかをオーナーサイドや厩舎サイドと話をし、自分の中でいろいろ考えました。その結果、スタートも速かったということもあり、1ハロン短くしてみて1200mに行くことにしました。ただ、1400で勝った時のレースからも、もう1ハロン伸びてもさほどマイナス材料が見つからないので、今回マイルを使うことになりました。以前マイルを使った頃は、体質がまだ弱かったですね。今もぎこちない面があるのですが、そのあたりがレースを使うごとに良くなっています。まだまだこちらも手探りで、馬の未知なるものを求めていろいろ試行錯誤でやっています。本当は勝つのが一番良い結果ですが、どんなレースをしてくれるのか、ゴスペルがどんな進化をするのか。攻め馬よりレースで良い面を見せてくれるので、それが楽しみです。スタートは抜群に速いので、出た後に速かったらおさえればいいわけですし、いつも話をしている通り、リズム崩さずになめらかに走ることができればと思っています。
今回は良いメンバーが揃っていますが、メンバ―よりも、ゴスペル自体がどういう走りをするのかが、自分の中での大きな課題です。この後、もっと距離を延ばしてもいいのか、それともやっぱり短距離なのかというのを、レースの結果で見極めたいと思います。まだ余裕あるなとか、もっとこういうことができるんじゃないかなど、乗っていて面白い面を一戦一戦出してくれるので、今回もそのような部分を感じて、この先につなげていきたいと思います。あとは走るのは馬ですから、僕は平常心で臨みたいと思っています」
サクラゴスペルについて、尾関知人調教師。
「高松宮記念(GI・芝1200m・4着)の後一息入れていたのですけど、こちらに戻ってきてからも元気一杯でしたし、体調に関しては文句ない感じで臨めそうです。元々この馬は、細かい部分で色々難しい部分があるんですよね。風が強いと馬場に近寄らないぐらい風が嫌いなのですが、今日(5/30)は、この馬の追い切りの時間帯だけすごく風が強くて、タイミングが悪かったという感じで、馬はかなり気が入っていたみたいです。それと誘導に1頭馬を付けていたのですが、馬に気が入っていた分、誘導につけた馬と馬場におろし時にタイミングが重なってしまって、また気が入ったかなという部分がありました。ただそのような状況の中でも、うまく収まってはくれたかなと思います。
今回マイルに距離が延びますが、時計を出す時以外は、距離を長めに乗ったりはしていました。木曜日に追い切ったというのもそうですが、今回は挑戦者の立場ですから、あくまで攻めの姿勢で行くつもりでやってきました。極端な言い方ですけど、軽すぎるよりはこれくらい攻めて、その後にしっかりケアをして無事にレースに持っていければ考えています。この馬は横山ジョッキーと作り上げてきました。元々1400mの準オープンを勝った時に、1400のレースがそんなに数があるわけではないですし、次の方向性を考えた時に、1200mを使うと良いのではないか、ただし1200を使ったからと言って1600mが乗れなくなるタイプの馬ではないという話をしてくれました。高松宮記念は強い馬がいて壁もありましたが、1200mという距離では結果を出してくれましたから、今回は1600mに可能性を求めてチャレンジしたいと思います。高松宮記念の時は前哨戦を勝っての参戦でしたから、人間が力んでいましたが今回は真っさらなところにチャレンジするわけですから、馬の底力を信じて臨みたいと思います。馬場に関しては、新潟で力いる芝も経験しているので、悪くなっても大丈夫だとは思います。あとは馬の機嫌損ねないように、スタッフみんなでしっかりとレースまで持っていきたいと思います」
鳴尾記念に出走予定のダイワファルコンについて、上原博之調教師。
「1週前は前の馬を追いかけて直線で突き放すという追い切りでした。今週(5/30)は馬の気分に任せての追い切りでしたが、終いの反応も良かったです。ここを目標にやって来ましたが、今年はさほど暑くならずにまだ涼しいですし、馬の調子も落ちていません。京都でも勝っていますから、輸送も大丈夫でしょう。道悪も問題ないですよ」(取材・写真:佐々木祥恵)