今年の最高落札価格を記録した母アゼリの2013(父ディープインパクト)
大盛況のうちに終わった8日の1歳馬セリに続き、9日は欠場馬9頭を除く220頭が上場され当歳馬セリが行われた。
ここでも市況は大盛況。落札率75.5%、落札総額56億400万円はいずれも昨年を上回った。特に落札総額については平均落札価格が3376万円と昨年の3066万円に比べて大きく上がったこともあり、前年より7億6030万円も上がっていた。
今年の最高落札価格を記録したのは“母アゼリの2013(父ディープインパクト)”で2億4000万円。昨年の“スカイディーバの2012”が記録した2億5000万円には及ばなかったが、高額での取引となった。他にも「2億円超え」がもう一頭。“母マルペンサの2013”は2億3000万円の価格で取引された。
これらの2頭に“リリーオブザヴァレーの2013”(父ディープインパクト・1億9000万円)、“ラヴアンドバブルズの2013(父ディープインパクト・1億500万円)”、それにディープインパクト産駒以外で唯一の1億円超えとなった“メイキアシーの2013”(父ヴィクトワールピサ)を加え、1億円超えは全部で5頭。最高落札価格は昨年に及ばず、落札価格1億円超えも昨年と同じ数字だったが、全体的に平均落札価格が上がり昨年比約15%も上回る結果となった。
これについてセレクトセールを主催する社台ファーム代表の吉田照哉氏は、「セリに参加してくれたカタール人が、これほどまでに行き届いたサービスや、販売馬のしつけができているセリは世界でも類をいないと言ってくれた。馬自体のレベルも高いレベルで揃っている自信があった。それが成功につながっていると思うし、セリに参加してくれた人が多い理由には、いつも競馬場で顔を合わせている、またクラブ上がりの馬主さんが増えたということもあるだろう。高額馬も出たが、低めの額でもセリへの参加者が多く、色んな層のお客さんが来てくれたと思う。
平均購買価格のアップについては景気的な面もあるだろうね。何せ株価が一時よりも1.5倍くらいになっているわけだから。株が上がってお金が増えたということは好きなものを買いたい。その対象として馬を選んでくれている人もいると思う。
来年は更に良い繁殖牝馬の産駒がラインナップしている。いい繁殖を買っていい種牡馬を付け、いい馬を提供する。すべてが好循環で回っているね。数年後には更に考えられないくらいレベルの高い繁殖牝馬の仔がラインナップされることになるだろう。今は海外の人も、海外のセリ場で会った時に声を掛けて、義理人情できてくれているが、3年後には実力で呼べるようなセリにしていきたいと思う」と語った。
「海外も無視できないセリ」へ向かってセレクトセールの躍進は止まりそうにもない。