今週末、中央競馬の重賞レースは、21日(日)に中京競馬場で入場無料の「フリーパスの日」に行われるサマーマイルシリーズ第1弾・中京記念、同日の函館では、JRA今年最初の2歳重賞・函館2歳Sが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。

■7/21(日)　中京記念(3歳上・GIII・中京芝1600m)
　ドナウブルー(牝5、栗東・石坂正厩舎)は、昨夏の関屋記念を制し、秋のマイルCSでは3着。以降はやや本調子になかったが、前走・ヴィクトリアマイルでは、勝ち馬から0.3秒差の5着としている。初の中京マイル克服が当面の課題も、ここは実績からも上位争いが期待される。

　ファイナルフォーム(牡4、美浦・堀宣行厩舎)は、昨年の夏に福島でラジオNIKKEI賞を制し、秋には古馬初対決のマイル重賞・富士Sで2着。今年に入っての2走は9着・5着も、着差は僅かのレースが続いている。現状は除外対象だが、数頭の回避馬が出れば出走可能で、大崩れのない左回りの条件で賞金加算を狙う。

　シャイニーホーク(牡4、栗東・橋口弘次郎厩舎)は、3走前に阪神1600mで行われたOP特別を差し切って快勝し、同条件の前走・米子Sでは先行して4着。こちらも中京コース克服が鍵を握るが、差し馬に有利な舞台や、3走前の内容からも溜める作戦で上昇なるか。

　リルダヴァル(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)は、今季は春先からコンスタントに使われ、ここへきてマイネルラクリマに完勝した都大路S(OP・京都芝1800m)や、前走・エプソムCでの僅差4着など安定してきた。直近のマイル戦は、ダービー卿CTで0.3秒差の6着としており、ここは相手関係からも食い込みが期待される。

　ランリョウオー(牡6、栗東・橋田満厩舎)は、2010年2月のデビューから23戦目の今回が重賞初挑戦。ただ、前走を含めてその間に準OPで12戦し、2勝2着7回と堅実な差し脚を武器に好走を続けきた。前走は前有利の馬場を察知してか先行しての完勝も、末脚を生かせる中京マイルで一発を狙う。

　その他、今年に入りマイルでの成績は安定しているフレールジャック(牡5、栗東・友道康夫厩舎)や、連覇を狙うフラガラッハ(牡6、栗東・松永幹夫厩舎)など、独特のタフなコース形態を舞台に、混戦メンバーが集結するサマーマイルシリーズの第1弾。発走は15時35分。

■7/21(日)　函館2歳S(2歳・GIII・函館芝1200m)
　クリスマス(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)は、6月30日の1200mで1分9秒3と函館の2歳戦のレコードタイムを叩き出して完勝。レースでは抜群のダッシュから無理なく先手を奪い、道中「溜め逃げ」の形も、直線に向いて後続を大きく突き離して6馬身差で圧勝している。ここは断然の持ち時計を引っ提げて、重賞制覇に挑む。

　キタサンラブコール(牡2、栗東・昆貢厩舎)は、馬主が大野商事で演歌界の重鎮・北島三郎さんの持ち馬。7月6日の1200mでは五分のスタートを切るも、すぐに押して先頭に立ち、直線でもじわじわと脚を使って後続を完封する形での逃げ切りV。母ビッグテンビーで、全兄に快速GI馬ローレルゲレイロがいるお馴染みの良血馬が、オーナーのおひざ元で連勝を狙う。

　オールパーパス(牡2、栗東・中竹和也厩舎)は、6月16日の1200mで1分9秒8の好時計勝ち。レースでは、外枠から好発を決めると道中は2番手を追走し、直線では逃げ馬をきっちり交しての完勝としている。開幕週の時計で鵜呑みにはできないが、好センスのダイワメジャー産駒でここも侮れない存在となる。

　ファイトバック(牡2、栗東・領家政蔵厩舎)は、6月23日の1200mで1分11秒7の時計で差し切り勝ち。中団のインコースでじっくり脚を溜めると、直線は外に持ち出されてゴール前で差し切った。先行経験しかない馬が多い中で、控えての新馬Vでここでも侮れない存在か。

　ビービーブレイン(牡2、栗東・千田輝彦厩舎)は、6月29日の1000mで58秒2の時計で3馬身差の完勝。抜群のダッシュ力を発揮し道中は行きたがる面を見せながらも後続を引き離し、余裕たっぷりに逃げ切った。距離延長は当面の課題も、素軽い先行力を武器にここでも粘り込みなるか。

　その他、東京マイルの未勝利戦で1着のウインイルソーレ(牡2、美浦・高橋祥泰厩舎)や、地元門別では1200m・1700mで2連勝としているハッピースプリント(牡2、北海道・田中淳司厩舎)など、2歳世代の重賞ウィナー1番乗りを目指しての戦い。発走は15時25分。