アイビスSD連覇を狙うパドトロワ(左)とクイーンS有力馬のマルセリーナ(右)
7月も終盤を迎え、夏競馬真っ盛りの中央競馬は、今週から東西開催替わりで新潟・小倉がスタートする。週末に行われる平地重賞レースは、28日(日)に新潟で開催名物の「直千競馬」を舞台にアイビスサマーダッシュ、同日の函館で真夏の牝馬中距離重賞・クイーンSが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。
■7/28(日) アイビスSD(3歳上・GIII・新潟芝1000m)
パドトロワ(牡6、栗東・鮫島一歩厩舎)は、昨夏ここで重賞初制覇を飾り、次のキーンランドCでもV、今年は叩き2走目の前走・函館SSで重賞3勝目を挙げた。今年は59キロが課題も、スタートや好位から抜け出す脚は変わらず健在で、スプリント界の夏男が連覇を目指して参戦する。
ハクサンムーン(牡4、栗東・西園正都厩舎)は、3歳準OPの身で参戦した昨年は逃げて4着に敗れたが、その後は京阪杯Vはじめ、高松宮記念3着など順調に成長してきた。逃げ一手の戦法ながらも、緩急自在のレース運びを身に着けており久々重賞制覇が期待される。
フォーエバーマーク(牝5、美浦・矢野英一厩舎)は、函館SSで逃げて3着とし、2走前では前半3F32秒5の流れを2番手から2着。デビューからここまで、クラス・距離(1600mが最長)を問わず3コーナーで5番手以下なしと、テンのダッシュ力は折り紙つき。初登場の直千レースで粘り込みなるか。
リトルゲルダ(牝4、栗東・鮫島一歩厩舎)は、昨夏から秋にかけての直千競馬で4戦し、2勝・2着1回・3着1回と全てのレースで馬券絡み。その後は1200mを中心に安定した走りを見せている。ここは重賞初挑戦になるが、経験豊富な舞台で一発を狙う。
スギノエンデバー(牡5、栗東・浅見秀一厩舎)は、昨夏の北九州記念を大外一気で制し、以降の8戦はいずれも勝ち馬から0.5秒差以内と堅実な差し脚を見せている。極端な追込み脚質で直千競馬への対応力が課題も、ペースが上がる条件での上位進出を窺う。
プリンセスメモリー(牝6、美浦・高橋義博厩舎)は、前走・福島の準OP(芝1200m)で、開幕週でハイペースの展開を一気の末脚で差し切り勝ち。1200mでもテンさえ流れれば、十分対応できるところ改めて示した。ここは久々の重賞挑戦になるが、新馬戦で完勝している直千コースで浮上なるか。
その他、昨年の1番人気ビウイッチアス(牝4、美浦・武藤善則厩舎)や、直千巧者ビラゴーティアラ(牝6、美浦・松山将樹厩舎)など、名物コースでの2013年真夏のスピード王決定戦。発走は15時45分。
■7/28(日) クイーンS(3歳上・牝・GIII・函館芝1800m)
マルセリーナ(牝5、栗東・松田博資厩舎)は、前走・マーメイドSでの差し切り勝ちが、2011年桜花賞以来、14戦ぶり久々の白星。連敗していた頃も、2012年ヴィクトリアマイル3着など極端な不振ではなかっただけに、ここも引き続き実力上位で有力視される。
アイムユアーズ(牝4、美浦・手塚貴久厩舎)は、昨年の覇者。以降は先行して粘れないケースが目立っているが、デビューから函館2歳Sまでの3戦で好走を続けたコースの少頭数で、スンナリ運べば復活のチャンスは十分か。
オールザットジャズ(牝5、栗東・角居勝彦厩舎)は、今年の中山牝馬Sで3着とし、福島牝馬Sでは見事な連覇。ヴィクトリアマイルでは崩れたが、小回り形態の1800m戦なら上位争い必至の存在だけに、再浮上が期待される。
キャトルフィーユ(牝4、栗東・角居勝彦厩舎)は、前走・かもめ島特別(1000万)で、好位追走からゴール前で抜け出し、2012年4月の忘れな草賞以来の3勝目を挙げた。前走はゲートの出が若干甘かった印象も、行き脚が付いてからはスムースな捌きを見せており、引き続きの函館1800m戦で上位進出なるか。
その他、合わないダートから芝に戻るスピードリッパー(牝5、美浦・鹿戸雄一厩舎)や、1991年のオークス馬イソノルーブルの孫ラーストチカ(牝3、栗東・宮徹厩舎)など、最多でも11頭立てとやや寂しい北海道シリーズ恒例の牝馬重賞。発走は15時25分。