小回り中距離戦で強さ発揮するロゴタイプ(写真は2013年スプリングS優勝時、撮影:下野雄規)
今週末、中央競馬の平地重賞レースは、8月18日(日)に1984年のグレード制導入以降、初のGIIレース開催に沸く真夏の函館で、皐月賞馬ロゴタイプらGI馬5頭に加え、武豊騎手を背に重賞2連勝中のトウケイヘイローなど豪華メンバーが挙って参戦する札幌記念が行われるほか、同日の小倉では灼熱の短距離ハンデ重賞・北九州記念も開催される。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。
■8/18(日) 札幌記念(3歳上・GII・函館芝2000m)
ロゴタイプ(牡3、美浦・田中剛厩舎)は、皐月賞・朝日杯FSを制した2013年のクラシックホース。日本ダービーでは2冠達成ならずキズナの5着に敗れたが、レースでは終始早めのレース運びで「らしさ」を見せた。歴戦の実力古馬が相手になるが、皐月賞のレコードV、スプリングSでの圧勝など、抜群の相性を誇る小回り中距離戦で54キロなら最右翼となる。なお、今回は村田一誠騎手が久々に騎乗する。
トウケイヘイロー(牡4、栗東・清水久詞厩舎)は、鳴尾記念・函館記念で重賞2連勝と波に乗る。2歳時の朝日杯FSでも上位入線を果たすなど、若駒時代から一定の評価を得ていた同馬が、ここへきて武豊騎手の熟練の先行策とも見事にマッチして本格化し、この夏の中距離戦線をリードするまでに成長を遂げた。ここはさらなる相手強化の一戦も、自らレースを作り、好タイムで乗り切るタイプだけに、余勢を駆って3連勝の可能性も十分か。
トーセンジョーダン(牡7、栗東・池江泰寿厩舎)は、2011年天皇賞・秋の勝ち馬にして同年札幌記念の覇者。以降も2012年天皇賞・春で2着とするなど、中・長距離路線では安定した成績を残した。今回は昨秋のジャパンC(6着)以来の実戦がカギを握るも、勝ち鞍のある函館コースと57キロならやはり侮れない。
ホエールキャプチャ(牝5、美浦・田中清隆厩舎)は、2012年のヴィクトリアマイルを制したあと長い不振に見舞われたが、前走・ヴィクトリアマイルでは12番人気の低評価を覆し、勝ち馬にあと一歩まで迫る2着に突っ込んで存在感を示した。実力派牝馬が復調ムードとなれば、牡馬相手でも上位進出が期待される。
アイムユアーズ(牝4、美浦・手塚貴久厩舎)は、前走・クィーンSで2番手追走から抜け出して同レースの連覇を飾った。歳時から相性抜群の当地と、すんなり流れに乗れる器用さを武器に強力メンバーでも食い込みなるか。
その他、古馬中距離重賞で実績豊富なルルーシュ(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)にタッチミーノット(牡7、美浦・菊川正達厩舎)、前走で函館コースを経験した2011年の桜花賞馬マルセリーナ(牝5、栗東・松田博資厩舎)、昨年のエリザベス女王杯の覇者レインボーダリア(牝6、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)など、5頭のGI馬をはじめ中距離巧者が挙って参戦する超豪華メンバー、真夏の五稜郭大決戦。発走は15時25分。
■8/18(日) 北九州記念(3歳上・GIII・小倉芝1200m)
サドンストーム(牡4、栗東・西浦勝一厩舎)は、準OPでの降級戦を快勝して立て直しに成功すると、前走・CBC賞でも前が残る展開の中で3着に食い込んだ。前走よりは戦いやすいメンバーと、ハイペースにも乗じて重賞初制覇なるか。
スギノエンデバー(牡5、栗東・浅見秀一厩舎)は、昨夏の北九州記念を大外一気で制した。以降は脚質面から不安定な戦績が続くが、芝1200mでは殆どのレースで勝ち馬から差のないところへ突っ込んでおり、先行激化必至の小倉コースで連覇を狙う。
マイネルエテルネル(牡3、栗東・西園正都厩舎)は、昨夏の小倉で新馬・小倉2歳Sと連勝。直後のデイリー杯2歳Sこそ3着だったが、その後は結果を残せずじまい。函館スプリントSで短距離に矛先を変えると、前走・バーデンバーデンC(福島芝1200m)を快勝して復調を示した。好相性の小倉コースなら重賞でも好走が期待される。
バーバラ(牝4、栗東・小崎憲厩舎)は、昨年5月のデビュー2戦目から今年3月の準OPまで1200mで4連勝。オープンでもCBC賞での5着とするなど、堅実な走りを示している。前走は同じ1200mの佐世保S(1600万)を1分6秒9の好タイムで快勝しており、勢いに乗って重賞初制覇なるか。
ザッハトルテ(牝6、栗東・牧田和弥厩舎)は、2010年4月のデビューからオープン昇格まで3年・28戦を要したが、ヴィクトリアマイルでは勝ち馬から0.8秒差(16着)、前走・CBC賞では4着と通用するところを見せている。CBC賞よりは手薄なメンバーとなるここで、上位進出を窺う。
その他、小倉芝1200mでは2戦2勝と抜群のコース相性を誇るニンジャ(牡4、栗東・宮徹厩舎)や、芝1200mでは3戦2勝と底を見せていない3歳牝馬ローガンサファイア(栗東・佐々木晶三厩舎)、昨年は12番人気の低評価を覆して2着に食い込んだシゲルスダチ(牡4、栗東・西園正都樹厩舎)など、灼熱の小倉を舞台に争われるサマースプリントシリーズの第4弾。発走は15時35分。