栗東坂路で僚馬に先着を果たしたロードカナロア(右)
ロードカナロアの最終追い切りは、栗東坂路でカレンジェニオ(5歳1600万下)との併せ馬。弾むような走りで4F52秒0-38秒1-11秒9をマークし、きっちりと先着を決めた。
見届けた安田師は「きょうは52、53秒くらいで、最後は馬の気持ちに任せて走らせたいと思っていました」と、プラン通りの攻め内容に力強くうなずく。「ひと叩きした効果はありますね。戦闘態勢に入っています。昨年と今年とでは甲乙つけ難いが、どちらかと言えば今年の方がいい状態だと思います」と手応えは十分だ。
秋の始動戦となったセントウルSは、ハクサンムーンの逃げ切りに屈して2着に敗れた。ただ、同じ臨戦過程だった昨年も前哨戦では2着に敗れながら、本番ではきっちり結果を残している。師も「今回は前走で負けたお返しをしたい」と堂々と宣言。岩田も「前回は負けたが、去年以上の状態だと感じた。叩いて体がすっきりと引き締まった感じがするし、去年以上のレースを見せてくれると思う」と前向きだ。
GIに限れば、現在は国内外で4連勝中。勝てば厩舎にとって、11年覇者のカレンチャンから3連覇となる。「ライバルを蹴散らして3連覇の偉業を達成できれば、夢のよう。カナロア自身も連覇がかかる。頑張ってほしいです」と指揮官。今年GI3勝目&タイキシャトルに並ぶ短距離GI5勝目となれば、年度代表馬も視野に入ってくるだけに期待は大きい。
短距離界をリードしてきたカナロアも、既に年内での引退が決定。師は「具体的には今回の結果次第」と今後に関して明言を避けたが、昨年に続く香港遠征のプランもあり、このレースが国内最終戦となるかもしれない。「王者なので素晴らしいレースをしないといけない。楽しみしかないし、ファンが驚くレースをしたいですね」と岩田。歴史的名馬を目指し、記憶と記録に残る走りで新たな伝説の1ページを刻む。
提供:デイリースポーツ