目標の一戦に向けてヴィルシーナの出来が急上昇してきた。最終リハは栗東坂路での併せ馬。アグン(4歳500万下)を1馬身半追いかけてスタートすると、馬体を並べたのは残り100m。岩田の仕掛けに反応し楽々と併入を果たした。タイムは4F54秒8-40秒0-12秒6。「先週CWで結構やっている(5F68秒6-11秒7、G前一杯)ので今週は流す程度。いい追い切りができたし、状態も上向いている」と鞍上は満足げに話した。
休み明けの京都大賞典は逃げて8着。「行く馬もいなかったので主張した。厳しい流れになった」。初コンビで結果を出したデイリー杯クイーンC以来、約1年8か月ぶりの騎乗を振り返った岩田は「古馬になってどっしりとしている」と成長ぶりを評価した。
友道師も自信をのぞかせる。16キロ増だった前走には「太めではなく成長。ひと回り大きくなった」と感心。1年前と比較し、「昨年はオークスのあと疲れが抜けなくて始動が遅れた。今年は早くから動かせたからね」と順調ぶりに胸を張った。
「ずっと悔しい思いをしてきた」。無冠に終わった昨年とは違う。春はヴィクトリアマイルで悲願のGI初制覇。秋は昨年2着に敗れたエリザベス女王杯のリベンジに燃える。「ここが最大の目標。1回使ってガラッと変わってきた。秋ももうひとつ獲りたい」。世代交代を狙う3歳馬とは初対戦となるが、「比較は分からない。ただ、4歳世代はかなり強い。これだけは、はっきりと言える」。史上初となるヴィクトリアマイルとの春秋制覇へ向けて、トレーナーは力強く言い切った。
提供:デイリースポーツ