4角最後方から17頭をごぼう抜き。先頭でゴールに飛び込んだその瞬間に、スタンドは大きくざわめいた。あの熱い夏の日(新潟2歳S)から3カ月半。翼を休めていた2戦2勝のハープスターが、いよいよGIの舞台に立つ。
休養先のノーザンファームしがらきから10月24日に帰厩。1週前追い切りは栗東CWで併走追い。6F83秒3-12秒8(強め)。追い出されるとスッと反応してアドマイヤコウベ(2歳未勝利)と併入。動きは良化している。「動きは悪くなかった。時間をかけて乗り込み、ピリッとしてきました。カイバの食いがいいので、帰厩後は強めの調教ができています」。松田博師が話すように、一歩一歩階段を上ってきているのは確か。今週のリハーサルを終えれば、態勢は整うはずだ。新潟2歳Sで2着に退けたイスラボニータが、東京スポ杯2歳Sをレコードで完勝。このことでハープスターの評価はより高まった。大きな期待とともに臨む最初の頂上決戦。新世代の女王を目指す。
マイルのオープンを2連勝し勢いに乗るマーブルカテドラル。前走のアルテミスSでは鞍ズレのアクシデントがありながら、馬場の中央から力強く伸びて快勝。上原師も「直線はバランスを取りながらの競馬。それでも勝つんだから、やっぱり能力は高い」と評価する。1週前追い切りは美浦南Wで6F83秒4-13秒1(馬なり)。一瞬でパートナーを置き去りにする出色の内容に師も「1週前の動きは良かったですね。体は少し増えているけど、輸送でちょうど良くなるでしょう」とうなずく。ここまで4戦3勝。唯一の敗戦となった新潟2歳Sではハープスターに完敗だったが、当時は先行してジリっぽくなったもの。差し脚を身につけ、確実に力をつけている。大一番でリベンジを果たせるか――。
提供:デイリースポーツ