馬場の真ん中から反応良く抜け出したアルキメデス=阪神競馬場
才能が開花した素質馬にとっては重賞ですら通過点だった。「第64回朝日チャレンジC・GIII」(芝1800m)は7日、阪神11Rに18頭で争われ、前走で準オープンを勝ったばかりの身ながら1番人気に推されたアルキメデス(栗東・藤原英)が、中団待機から持ち前の瞬発力を発揮して抜け出し1馬身差で快勝。5月の1000万特別から4連勝で、一気に重賞タイトルも射抜いた。鞍上のバルザローナはJRA重賞初制覇。勝ちタイムは1分46秒5。大外から追い込んだ2頭の2着争いを制したのは9番人気のカワキタフウジン。さらに鼻差の3着には6番人気のハナズゴールが入った。
知将の秘蔵っ子アルキメデスと新進気鋭のバルザローナ。初めて結び付いたコンビが、期待通りの化学反応を起こした。「いい馬に巡り会いました。行きたがるところがあるのでコントロールするのは難しいですが、闘志を内に秘めながら運ぶことができました。本当に一生懸命走ってくれたと思います」。ドバイのモハメド殿下率いるゴドルフィンと専属契約を結ぶ若き名手は澄んだ瞳を輝かせた。
ようやく軌道に乗り、重賞を射止めた愛馬を出迎えた藤原英師は「ジョッキーがうまく誘導してくれた。さすがやな」と話しながら握手をかわすと、笑顔でツーショットを決めた。「将来的には2000mあたりまで距離を延ばしていきたい」。視線の先にはGIへの道筋が、はっきりと浮かんでいるようだ。
提供:デイリースポーツ