ダノンシャーク(左)は栗東坂路で迫力満点の動きを披露
降りしきる雪のなかで光沢のある鹿毛の馬体を躍らせた。今季の飛躍の足掛かりとするべく、
ダノンシャークが栗東坂路で態勢を整えた。先行する
ミッキースマホ(4歳1000万下)をぴったりとマーク。頂点を視界にとらえると鋭く右側に出て並んだ。そこからの脚勢はさすが。4F53秒6-38秒9-12秒2を計時した走りには、GIでも奮闘しているマイラーの迫力をにじませた。
大久保龍師は理路整然と調整過程を説明。「先週まで2週続けて栗東CWでしっかりやった。だから今週は坂路で併走。予定通りの負荷をかけられた。初戦としては態勢が整っている」。見た目にも十分な状態で、コメントは額面通りに受け取っても良さそうだ。
トーンが変わったのは昨年を振り返った時だ。京都金杯を勝って最高の滑りだしを決めたが、春秋のマイルGI、安田記念とマイルCSはいずれも3着。「もうひと押しが足りなかった。(仕上げに)妥協したところがあったのかなあ」。表情の奥にため込んできた悔しさがにじみ出る。
だからこそ今年は、攻めて攻めて始動戦に臨む。上半期の目標はもちろん安田記念だ。「今年はもっと負荷をかけていこうと思っていたところ。しっかり動いてくれている」。3度目の重賞制覇へ、手応えをつかんでいるのだろう。最後はようやく、表情を崩した。
提供:デイリースポーツ