ゴール前は大接戦となったが、浜中騎手は「勝ち切れたことがあの馬のすごさ」と愛馬を讃えた(撮影:下野雄規)
大激戦のゴール前となった、今年のNHKマイルC。6着までがコンマ1秒の中にひしめきあう接戦を、ミッキーアイルがクビ差で制した。
馬場に現れたミッキーアイルは、ベストパフォーマンスと言われるひいらぎ賞と同じ、478キロの体。トモの横の筋肉がぷりりと張り出して、スピード自慢の体に磨きがかかっていた。(取材:赤見千尋)
◆1着ミッキーアイル
・浜中俊騎手
「パドックでも非常に落ち着いていましたし、いつもと変わらない様子でした。
いつものあの馬に比べると、スタートが少しゆっくりでしたが、二の脚も速いですし、リズムよく行きました。
GIですから楽だとは思ってないですし、みんなのマークがついてましたけど、後ろのことはあまり気にしていませんでした。
3、4コーナーで息を入れられましたし、初めての左回り、東京競馬場ということで、物見をするところもありました。直線で追い出してからも伸びてくれたんですけど、ライバルたちも強かったですね。フラフラ走っていたので、手応えとしてはもっと伸びてもいいなという感じでした。直線、本当に長かったです。
このコースは、逃げ馬には不利というデータもありましたが、勝てて本当に嬉しいですね。着差はどうあれ、勝ち切れたことが、あの馬のすごさだと思います」
・音無秀孝調教師
「正直、今日は負けたと思いました。そんなにハイペースではなく、自分のペースで行けたのに、最後はちょっと心配になるくらい来られていたので。いつもだったら、残り1ハロンくらいで勝ちを確信するような走りをしてくれるんですけど、やはり休み明けでGIは甘くないですね。
使いながら体が細くなってしまったので、一度体を戻すために放牧に出しました。体重はひいらぎ賞と同じ478キロでしたが、やはり休み明けの分、最後は詰められてしまいました。
それでも勝ってくれて、すごい馬ですね。最後の100メートルは根性で頑張ってくれました。
ただ、直線はフラフラしてましたし、その辺りは今後修正していきたいです。まだ若さもあるので、だんだん直っていくと思います。
このあとはどうしようかと思っているのですが、馬の様子を見て、オーナーサイドと牧場と相談して決めます。使うなら、安田記念だと思います。
もう少し後になると思いますが、距離を延ばしていきたいという気持ちは持っています」
◆驚きの2着争いは、17番人気の低評価を覆し、タガノブルグがハナ差でもぎ取った。
・三浦皇成騎手
「とても乗りやすい馬です。3、4コーナーで上がって行けましたし、馬がよく頑張ってくれました」
◆3着は、こちらも12番人気と低評価だったキングズオブザサン。絶好調の蛯名騎手に導かれ、あと一歩のところまで詰め寄った。
・蛯名正義騎手
「残念ですね…。寄られる不利があったので、あれがなければと思いました。東京は合うし、マイルもいいですね。よく頑張ってくれました」
◆4着ロサギガンティア
・柴田善臣騎手
「いい脚で伸びて来ましたけど、最後は脚色が一緒になってしまいました。でも、やっぱりいい馬ですね。まだまだ成長してくれると思うので、秋が楽しみです」
◆5着ホウライアキコ
・和田竜二騎手
「初めての左回りで、コーナリングは少しぎこちなかったんですけど、ペースは思ってたより楽でした。一瞬、夢を見ましたね」
◆6着ショウナンアチーヴ
・戸崎圭太騎手
「ゲートも上手に出てくれましたし、状態の良さを感じました。ただ、流れに乗りすぎてしまったかなと。直線でもう少し伸びて欲しかったんですけど、もしかしたら東京のマイルは少し長いのかもしれません」
◆9着サトノルパン
・武豊騎手
「引っ掛かってしまいました。あの位置で折り合うことが出来たらよかったんですけど…」
◆10着ショウナンワダチ
・北村宏司騎手
「馬群が凝縮してましたし、なかなか開かなくて追い出しを待たされてしまいました。もう少し流れてくれていたら…」
◆11着ウインフェニックス
・石橋脩騎手
「ポジション的にはよかったんですけど、もう少し前が動いてくれたら。なかなか動けなくて、残り300くらいから脚を使ってくれましたが、長く脚を使う馬なので、500か600くらいから上がって行きたかったです」