破竹の5連勝で3歳マイル王に輝いたミッキーアイル(右)=東京競馬場
自慢のスピードで3歳マイル王の座をつかんだ。「第19回NHKマイルC・GI」(芝1600m)は11日、東京11Rに18頭で争われ、1番人気のミッキーアイル(栗東・音無)がデビュー2戦目から5連勝でGI初制覇。タイムは1分33秒2だった。17頭を引き連れて先頭で風を切ると、直線を向いて2番手のホウライアキコ(5着)が差を詰めにかかったが、最後は後続の追撃を首差でしのいで逃げ切った。大接戦の2着争いは17番人気のタガノブルグがゴール寸前で馬群を割って猛追した12番人気キングズオブザサン(3着)を鼻差で退けた。
逃げ切りは至難の業と言われる府中のマイルGIで、見事に“鬼門”を突破。88年安田記念のニッポーテイオー、12年NHKマイルCのカレンブラックヒルに続く史上3頭目の快挙で歴史に名を刻んだ。だが、道のりは決して平たんではなかった。GI特有の雰囲気にゲート内で落ち着きを失い、自慢のトップスタートも不発。二の脚でハナに立ったが、直線では後続を引き離せない。初の府中で物見をしてフラフラする場面も。最後は懸命の右ステッキで何とか追撃をしのいだ。
「後ろから迫っているのは分かっていた。最後は祈るような気持ち。今までになく直線は長く感じましたね」と浜中が言えば、音無師も「心臓に良くない。バクバクでした。正直、負けたかと思った」と胸をなで下ろした。今後は未定だが「距離を延ばすのはもう少し先かな。牧場やオーナーサイドと相談だが、安田記念(6月8日・東京、芝1600m)もあるし、もし使うならそこになると思う」と師はジャスタウェイなどが待つ大舞台を視野に入れた。5連勝中の新3歳マイル王が、自慢の快速でさらなる強豪に立ち向かう。
提供:デイリースポーツ