今週の栗東は調教時間こそ雨は降っていないが、12日夜から13日朝にかけて、14日の夜と降水量は多かった。その影響を多分に受けたのが、ウッドチップ。13日時点で、坂路の逍遥馬道を歩くと、やはり水分をかなり含んでいた。ただ、日中は日照時間が長く、風もあったので、表面は適度に乾燥したと思われる。
雨が降った影響か、暑さも思ったほどではない状態。非常に過ごしやすく、馬にとっても、体調を維持しやすい気候になっているのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
14日。一番時計は
デンコウヒノマル(栗東・坂口正則厩舎)の4F50.5秒。この時計は
デンコウヒノマルにとって、自己ベストを更新する数字。自身の体調が良好ということもあるだろうが、馬場自体も極端に時計が掛かっているわけではない、という解釈ができる。50秒台はこの1頭だが、51秒台は10頭以上いるので、ほぼ普段通りの馬場だと考えたい。
先週の当欄では、ヴィクトリアMに出走予定の
ローブティサージュ(栗東・須貝尚介厩舎)の動きの良さを取り上げさせてもらったが、今週はそれと併せた
レッドリヴェール(栗東・須貝尚介厩舎)の動きが絶好。先行していたとはいえ、相手に並ばせることもなく、最後はハミを掛け直すだけで、ひと伸び。鞍上には、新パートナーとなる福永祐一騎手が跨っていたが、その呼吸も抜群だったと言える。
先週の馬場差は「+0.5秒」。週明けの雨の影響が全くないとは言えないが、全体的な時計の出方を見ても、ほぼ標準の馬場と考えたい。よって馬場差は14日、15日とも『+0.1秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
先週は非常に時計が速い印象のあったCコースだが、今週は雨の影響が残っているようで、全体時計が少し遅め。とはいえ、前半をゆったりと進めば、ラストは11秒台が出るような馬場なので、基準時計より遅いということはない。
14日、15日ともその影響は同じくらいと思われるが、15日の2回目のハロー(整地)明けの馬場で、日本ダービー(6月1日・東京芝2400m)の2週前追い切りを行ったのが、
トゥザワールド(栗東・池江泰寿厩舎)。この厩舎にしては、珍しく単走での追い切り。同時刻にDコースP馬場で3頭併せを行っていたので、たまたまパートナーがいなかったということだろう。
1頭でも戸惑うような様子はなかったが、6F標識ではエンジンが掛からず、ペースが上がったのは、3コーナーを過ぎたあたり。そこからは13秒台のラップを刻んで、同じペースでゴール。時計は6F89.1〜5F70.9〜4F54.7〜3F40.8〜1F13.5秒と、かなりゆったりした単走追い切りだった。
先週の馬場差は「-1.3秒」。今週は極端に時計が速いという印象はなく、14日、15日とも『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は芝馬場を追い切りしたのが、目野哲也厩舎。2歳新馬の併せ馬が矢継ぎ早に目の前を通過していった。目立って時計が速い馬はおらず、芝コースに慣らす目的もあったのではないだろうか。馬場差は14日、15日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場は追い切り頭数もまばら。雨が降ると、比較的走りやすい馬場ではあるが、一杯に追われて時計が出ているという馬が多い。馬なりで速い時計が出るというほどではないので、馬場差は、先週と同様の『-1.0秒』で、14日、15日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)