29日、東京競馬場で行われた日本ダービー(G1・芝2400m)は、武豊騎手騎乗の圧倒的1番人気(単勝110円)ディープインパクト(牡3、栗東・池江泰郎厩舎)が、後方追走から直線外に持ち出すと、最内から抜け出した2番人気インティライミに5馬身差を付けて圧勝した。勝ちタイムは昨年のキングカメハメハと同じ、2分23秒3(良)のレコードタイム。さらに2.1/2馬身差の3着には7番人気シックスセンスが入った。
レースは、スタートでディープインパクトがやや出遅れる展開。コスモオースティンが前半1000m59.9秒の平均ペースに持ち込むと、ディープインパクトは後方馬群で脚を溜める。好位追走のインティライミが、4角手前から最内を突き抜け出すと、ディープインパクトは馬群の外に持ち出して追走。直線坂上で捕らえると、あとは突き放す一方。皐月賞の2.1/2馬身差から、今度は5馬身差を付けて圧勝した。3番人気ダンツキッチョウは13着、4番人気ローゼンクロイツは8着に敗れた。
勝ったディープインパクトは、父サンデーサイレンス、母がアラルポカル(独G1)勝ち馬ウインドインハーヘア(その父Alzao)という血統。全兄にブラックタイド(スプリングS-G2)、従兄にウインクリューガー(父タイキシャトル、NHKマイルC-G1)がいる。デビューから4連勝で前走・皐月賞(G1)を制しており、史上6頭目となる無敗での2冠制覇となった。通算成績5戦5勝。単勝支持率73.4%は、73年ハイセイコー(3着)66.6%を超える歴代1位の記録で、単勝配当110円も、94年ナリタブライアン(1着)の120円超える歴代1位の低額払戻金となった。さらにサンデーサイレンス産駒は日本ダービー6勝目で、トウルヌソルに並び歴代1位となった。
鞍上の武豊騎手は、98年スペシャルウィーク、99年アドマイヤベガ、02年タニノギムレットに続き、日本ダービー4勝目。同一年の皐月賞、日本ダービーの制覇は自身初となる。またこの勝利で今年JRA100勝を達成した。管理する池江泰郎調教師は日本ダービー初制覇。メジロマックイーンで90年菊花賞、ノーリーズンで02年皐月賞を制しており、牡馬クラシック3冠制覇となった。オーナーの金子真人氏は、昨年のキングカメハメハに続き、史上初の日本ダービー連覇となった。生産したノーザンファームは、ラインクラフト(桜花賞、NHKマイルC)、シーザリオ(オークス)に続き、春の3歳G1完全制覇を達成した。