岩田騎手が騎乗してエリザベス女王杯の1週前追い切りを行ったヌーヴォレコルト(撮影:佐々木祥恵)
11月16日(日)に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(GI・牝馬限定・芝2200m)に出走予定の美浦所属各馬の1週前情報。
11月6日(木)、岩田康誠騎手が騎乗してヌーヴォレコルト(牝3・美浦・斎藤誠厩舎)の1週前追い切りが、美浦トレセンのウッドチップコースで行われた。追い切り後に、関係者に話を聞いた。
斎藤調教師。
「前走の秋華賞(GI・芝2000m・2着)は、力では勝ちましたが、競馬では負けたという感じですね。レースは1頭でやるわけではないですし、展開もありますから。京都の内回りコースも敗因の1つだと思います。4番は良い枠かなと思いましたが、それがかえって仇となりました。GIですから運が向いてほしかったのですが、残念でした。秋華賞で目一杯に作っていたと思いましたが、まだ伸びしろがある感じでしたし、オーナーの希望と一線級の男馬と戦ってどうかという部分もあって、ジャパンC(GI)ではなくエリザベス女王杯に向かうことにしました。前回の内回りと違って、京都の外回りコースも良いと思います。
今日は、この馬とは力差のある2頭を前に置いて、その馬を目標にする形でやってもらいました。秋2戦は目一杯仕上げて目一杯の競馬をしていますので、そんなに速い時計はいらないと思っていましたが、直線もステッキが入っていましたし、負荷をかけた追い切りができました。時計のかかる馬場ということもあり全体時計はさほど速くはないですが、終い1ハロン12秒台も出ましたし、良かったと思います。
追い切り後の馬体重は450キロでした。タフで飼い葉も食べています。昨日も取材がたくさん来ていましたが、その中でも飼い葉を食べていましたし、普通の女の子ではないですね。1週前にジョッキーに乗ってもらい、来週はサラッとやって、土曜日に京都に運ぶというローズS(GII・芝1800m・1着)と同じパターンです。輸送も苦にしないですから、土曜日に輸送でも大丈夫でしょう」
岩田騎手
「秋華賞は非常に良いデキでしたので、それ以上にはならないでしょうから、その調子をキープしていく調整になると思います。今日は少し重いところもありましたが、前をつかまえる時の脚は速いですね。何より落ち着いているのが良いです。今日しっかりやったことで良くなると思います」
エリザベス女王杯に4年連続出走となるホエールキャプチャ(牝6・美浦・田中清隆厩舎)について、日高大輔調教助手。
「前走の府中牝馬S(GII・芝1800m・3着)は、札幌記念(GII・芝2000m・3着)の疲れもあって復調途上のわりには頑張ってくれたと思います。レース後も段々良くなり、体のバランスも良くなってきました。今週(11/5)はアルゼンチン共和国杯に出走するマイネルメダリストと坂路で併せました。相手にはジョッキーが乗っていましたし、遅れはそんなに気になりません。坂路2本のうち1本目も結構時計が出ていますから、負荷が掛かった調教もできました。
少し距離が長い気もしますが、去年(6着)も伸びてきていましたし、良馬場だったらもっと走れたように思います。安田記念(GI・芝1600m・15着)以外は今年は崩れていませんし、前走以上の状態で臨めそうなので、良馬場ならやれると思います」
骨折休養明け2戦目となるオメガハートロック(牝3・美浦・堀宣行厩舎)について、橋本篤典調教助手。
「前走の秋華賞(11着)は骨折明けで間隔も開いていましたが、勝負どころで頭が浮いて反応が鈍く、脚も使えず走れていなかったと思います。もう少し走れると思っていましたが、競馬になりませんでした。飼い葉も良く食べていますし、今週(11/6)の追い切りもまずまずでした。ガラリ一変という感じではないですが、1度使った上積みはありますし、これから徐々に状態が上がってくれればと思っています」(取材・写真:佐々木祥恵)