“怪物”と言われた独ダービー馬
シーザムーンをバーデン大賞で撃破した豪脚が、極東府中の直線でも爆発するか。
アイヴァンホウが決戦の日に向かって着々とその末脚を研いでいる。
金曜朝は東京ダートで6Fから発進。15-15程度の時計だが、前ヒザを高く上げる独特のフォームで、四肢を目いっぱい伸ばした。「万全だね。来日してからの状態は、メンタルを含めてドイツと全く変わりない。いつもレースの10日から12日前に追い切って、直前は軽めのメニューだから、調教内容も普段通りできている」とカルヴァロ師は仕上がりに十二分の自信を見せる。
「いい枠も引けたね」とトレーナーが歓迎する1枠(2)番も単に内枠というだけではない。すぐ隣にレース3連覇を狙うあの馬がいる。ミナリクがレースプランを明かす。「時計の速い決着では未知数なところは大きいが、後方に構えて
ジェンティルドンナを目標に勝負を挑む。上がり3Fで勝負をかけることになると思う」。馬に高速決着の経験はないものの、日本独特の“上がりの競馬”に持ち込もうという腹づもり。目標になるラ
イバルを確実に視認できる隣枠は絶好というわけだ。
「凱旋門賞はテンに前を追い掛け過ぎて大敗したが、大音響のパドックでも物見ひとつせず周回していた」と指揮官はうなずく。万全の状態だけに、凱旋門賞で18着という戦績だけにとらわれると痛い目に遭いそうだ。