11日、香・シャティン競馬場で行われたワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップの最終戦、香港カップ(香G1・芝2000m)は、A.デルペッチ騎手騎乗の圧倒的1番人気ヴェンジャンスオブレイン Vengeance of Rain(セン5、香・D.フェラリス厩舎)が、中団追走から直線半ばで先頭に立つと、後方から追い込んだ3番人気プライド Prideの追撃をクビ差凌いで優勝した。勝ちタイムは2分04秒5(良)。さらに1馬身差の3着には、並んだ3番人気マラーヘル Maraahelが入った。連覇を狙ったアレクサンダーゴールドラン Alexander Goldrunは8着に敗れた。
勝ったヴェンジャンスオブレインは、父Zabeel、母Danelagh(その父デインヒル)という血統の新国産馬。全妹に今年のAJCオークス(豪G1)を制したDizelle(牝3、豪・J.ホークス厩舎)がいる。03年に豪国でデビューし、04年に香港へ移籍。今年のフェアリーキングプローンHで移籍後初勝利を挙げると、5連勝で香港ダービー、クイーンエリザベス2世C、香港チャンピオン&チャターC(すべて香G1)を制覇する。休養明けの2戦は8、5着と敗れていたが、前走の国際カップトライアル(香G2)を制し、復調の兆しを見せていた。通算成績16戦8勝。
ヴェンジャンスオブレインは、クイーンエリザベス2世Cに続き、今年のワールドシリーズ・レーシングチャンピオンシップ2勝目。合計24ポイントを獲得し、アジアの馬として初のワールドチャンピオンに輝いた。