祖母ヤマカツスズラン、母ヤマカツオーキッドと徹底した“逃げ”血統のヤマカツライデン(撮影:花岡貴子)
京都大賞典に出走予定のヤマカツライデンは、今年3月、強くハナを主張する競馬に徹するようになってから6戦4勝をあげている上がり馬だ。母はヤマカツオーキッド、祖母は阪神3歳牝馬Sを優勝したヤマカツスズランだが、スズランの6勝、オーキッドの2勝はいずれも“逃げ”で制している。徹底した“逃げ”血統であるといえよう。
「ライデンもその母子3代の気質を継いだのでしょう。逃げだしてから、成績がグッと安定しました。逃げているときは気分がいいらしく、耳を前に向けて積極的にレースに参加しています。逆にそうでないときは、気が散っているようでそれが仕草にも表れています」と担当の岡冨助手は目を細める。
今年10戦目とコンスタントにレースを走っているが、疲労はまったく感じられない。むしろ、充実一途といった様子だ。
「馬体重はこの中間で546キロありました。数字上では前走より増えていますが、太目感はないんです。力は出せる状態にあります」(岡冨助手)
GI級のメンバーが揃う上に、このところ逃げの競馬が続くキタサンブラックを相手にどこまでやれるか。
この血統を母子3代ともに手掛けてきた池添兼雄師は、ライデンにも期待を寄せながらも慎重な構えだ。
「今回は相手が格段に強くなる。一線級を相手にどこまでやれるか。試金石になるだろう。仮に他の馬がハナを切っても、途中から先頭にいけばいい。とにかく自分の競馬に徹するだけだね」
そういいながらも「楽しみだよ」と笑顔をみせた。
手綱はこの血統を知り尽くしている池添謙一騎手に委ねられる。大舞台に強い同騎手。最良の導きでアッといわせて欲しいものだ。
(取材・写真:花岡貴子)