昨年12月14日に、自宅近くのホテルの一室で亡くなっているところを発見されたギャレット・ゴメス元騎手(享年44歳)の、直接の死因は心筋症で、これを引き起こしたのは薬物の過剰使用だったことが明らかになった。検死にあたった、アリゾナ州フォーレンシック・サイエンス・センターのシンシア・ポーターフィールド法医学病理学者から発表があったものだ。
解剖の結果、ゴメスさんの血液からは、コカイン、モルヒネ、覚醒剤のアンフェタミン、精神安定剤のベンゾジアゼピン、マリファナ、メタンフェタミンの、6種類の薬物を検出。このうち、肥満抑制効果もあると言われる覚醒剤のメタンフェタミンが、心筋症を引き起こす要因になったと見られている。一方、アルコールは体内から検出されなかった。
72年1月1日にタスコンで生まれたゴメスさんは、88年にニューメキシコで騎手デビュー。97年にオナーグレイドでG1セクレタリアトSを制しG1初制覇を果たした頃からトップ騎手の仲間入りを果たし、06年から09年にかけて4年連続で賞金部門の全米リーディングに君臨。07年と08年はエクリプス賞の騎手部門を受賞している。
ブレイムに騎乗してゼニヤッタの連勝を止めた10年のクラシックを含め、ブリーダーズCは歴代3位タイの13勝。これを含めて通算で3769勝を挙げ、通算収得賞金は歴代14位の2億500万ドルに達した。引退表明は15年6月だったが、実際の騎乗は13年10月にキーンランドで行ったのが最後だった。
(文・合田直弘)