やはり中京芝1600mでデビューしてくる馬は、クラシック路線を意識できる馬が多い。昨年の7月24日中京芝1600mで行われた2歳新馬で2着だったアドマイヤミヤビ(栗東・友道康夫厩舎)。翌年にクイーンCを勝って重賞ウイナーとなり、オークスでは3着という結果。今秋の活躍にも注目だろう

　7月16日の2歳未勝利(中京芝1400m)を勝ち上がったレッドシャーロット(栗東・庄野靖志厩舎)。デビュー戦は中京芝1600mでトロワゼトワル(栗東・安田隆行厩舎)にクビ差敗れていたが、未勝利戦では2着に1馬身1/4差の完勝。今後の動向はもちろん、新馬戦で敗れた相手との再戦も期待したいところ。

【7月22日(土)　中京芝1600m】

◆トゥザフロンティア(牡、父ロードカナロア、母トゥザヴィクトリー、栗東・池江泰寿厩舎)

　重賞5勝のトゥザグローリー(父キングカメハメハ)、2014年弥生賞を制したトゥザワールド(父キングカメハメハ)など、池江泰寿厩舎で管理された半兄がいる良血。父がロードカナロアに替わったことで、どのようなタイプに出てくるか注目していた。

　7月13日のCWコースでの追い切り。エアカミュゼ、トゥザクラウンを追走する内容だったが、道中の走りはまるで古馬かのような落ち着き。最後に直線で内に進路をとると、きっちり前を捕まえて先着のゴール。時計は6F81.9〜5F67.1〜4F52.6〜3F38.6〜1F11.7秒と新馬としては最高レベルの数字。この馬の勝ち方次第では、またまたロードカナロアの評価を上げることになりそうだ。鞍上はD.ホワイト騎手が予定されている。

【7月22日(土)　中京芝1400m(牝)】

◆プリュス(牝、父ヴィクトワールピサ、母サラフィナ、栗東・松永幹夫厩舎)

　母は仏オークスを勝ち、2011年凱旋門賞では1番人気に支持された名牝。半兄ジェニアル(父ディープインパクト)は松永幹夫厩舎で管理されているが、先日、中京芝1400mの未勝利戦を勝ち上がった。

　入厩当初は「いいものを持っていると思いますが、まだ馬体に緩さがありますね」と控えめのコメントだった松永幹夫調教師。それが追い切りを重ねていくごとに動きが良くなってきて、7月12日の栗東坂路では4F54.8秒、1F12.1秒と水準以上の時計をマークした。「以前は腹まわりがボテっとしていましたが、そのあたりがスッキリして、動きも良くなってきましたね」と同師。今週の最終追い切りには、レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨るので、そこでどんな動きを見せてくれるか注目したい。

【7月23日(日)　中京芝1400m】

◆アントルシャ(牝、父ノヴェリスト、母アソルータ、栗東・池添学厩舎)

　父ノヴェリストは今年の新種牡馬。すでにヴァイザーが新馬勝ちしている。先週の2歳未勝利戦ではニシノベースマンが2戦目で福島芝1800mを勝っている。そして母系には、今年の日本ダービーで1番人気の支持を受けたアドミラブル(父ディープインパクト)がいる血統。

　レースでも騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨った追い切りが7月12日。CWコースに正面入口から入場して、6Fからしっかり時計を出すスタイル。6F84.3秒と全体時計は平凡だったが、終いは1F12.5秒としっかり。仕掛けられてからの反応も良く、初戦から動けるのではないだろうか。

【7月23日(日)　福島芝2000m】

◆トーセンアルタイル(牡、父ハービンジャー、母ケアレスウィスパー、栗東・佐々木晶三厩舎)

　先週、競馬の話題といえばセレクトセール。本馬は2015年の当歳セールで1億2500万円という高額で落札されている。母系に2011年天皇賞(秋)を制したトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)、全兄に芝中長距離で5勝を挙げているトーセンバジルがいる血統でもある。

　ただ、追い切りでの動きは高額取引や良血とは少しイメージが違う。CWコースでの併せ馬では未だ先着したことがない、かなりズブいタイプといってよいだろう。しかし「牧場に聞くと、この血統はデビュー前はあまり調教で動かないんだとか。7月20日のCWでは6F83秒で水準の時計は出ているし、これで十分でしょう」と佐々木晶三調教師。あとは実戦でどんな走りを見せてくれるか。鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。

(取材・写真：井内利彰)