センスあるスタートを見せたラッキーライラック(撮影:井内利彰)
なかなかの好メンバーが揃ったのは、8月20日の小倉芝1200m(牝)。もちろん下記でも取り上げているが、それだけでは紹介しきれないくらいに注目馬が出走を予定しているので、冒頭でも2頭紹介してみたい。
まずは、ディープインパクト産駒のレッドランディーニ(栗東・石坂正厩舎)。母は未出走のまま現役を引退しているが、祖母Catchascatchcanは英G1ヨークシャーオークスを優勝している。8月9日の栗東坂路では4F54.5秒と時計は平凡だが、やれば動きそうな気配は十分。
アンヴァル(栗東・藤岡健一厩舎)は新種牡馬ロードカナロアの産駒。祖母、母ともに芝短距離重賞を勝っている血統で、この舞台がドンピシャのはず。M.デムーロ騎手が跨った8月9日の栗東坂路での追い切りは2F時計が24.7秒と速い。藤岡健一調教師が栗東入厩以前から小倉2歳S(9月3日・小倉芝1200m)を狙っていた逸材がいよいよ動き出したという感じ。
【8月19日(土) 新潟芝2000m】
◆ブリスフルデイズ(牝、父キングカメハメハ、母アドマイヤハッピー、栗東・吉田直弘厩舎)
半兄に2009年アンタレスSを勝ったウォータクティクス(父ウォーエンブレム)、母系にはエアグルーヴ、ドゥラメンテといったG1ホースの名が出てくる良血。本馬は6月16日のゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、7月21日にノーザンFしがらきから栗東へ再入厩している。
8月1日の栗東坂路で4F53.3秒、1F12.2秒を馬なりでマークした時からその走りは目立っていたが、8月10日のCWでの動きも素晴らしかった。古馬ゼットマックイーンを追走していたが、楽々と追いついて同入でゴール。6F82.0秒、1F12.2秒とトラック馬場でも時計が出たのは能力の証。初戦からどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみ。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。
【8月20日(日) 新潟芝1600m牝】
◆ラッキーライラック(牝、父オルフェーヴル、母ライラックスアンドレース、栗東・松永幹夫厩舎)
函館芝1800m、新潟芝1800mで新馬勝ち馬を輩出した新種牡馬オルフェーヴルの産駒。半姉に同じ厩舎で活躍するラルク(父ディープインパクト)がいるが「姉と違って、肢長の体型」と松永幹夫調教師。
8月9日の栗東坂路での追い切りは4F57.8秒と遅い時計だったが、これは11日にゲートから少し時計を出したいという意図があった。その11日のゲートではセンスある出を見せて、2F目は11.9秒のダッシュ力。「距離はマイル以上あっていいと思いますが、このスタートなら流れに乗っていくことができそうですね」と同師も笑顔。半姉は11月の京都芝1600mで新馬勝ちしているが、本馬もデビュー戦から能力全開となるか。
【8月20日(日) 小倉芝1800m】
◆カノウムスビ(牡、父スクリーンヒーロー、母カザリムスビ、栗東・奥村豊厩舎)
モーリス、ゴールドアクターといったG1ホースを輩出しているスクリーンヒーロー産駒。母系には芝で6勝を挙げたヤングアットハート(父フレンチデピュティ)や2010年オールカマーなど重賞3勝のシンゲン(父ホワイトマズル)がいる血統。
8月9日のCWでの併せ馬では古馬500万下を追いかけて、最後は失速してしまう。しかし全体時計は6F82.6秒と水準をマークしており、それまでの追い切りに比べると時計は格段に速くなっている。「ゴール前で動けなかったところがどうかですが、雰囲気を感じさせる馬ですし、このひと追いで変わってきそう」と奥村豊調教師。あとは最終追い切りでどんな動きを見せてくれるか注目してみたい。
【8月20日(日) 小倉芝1200m牝】
◆オーロスターキス(牝、父ヘニーヒューズ、母ニシノビギン、栗東・南井克巳厩舎)
とにかく驚いたのは、8月10日のCWでの追い切り。3頭併せの最後方だったので、きっと動くのだろうという予想はついていたが、4コーナーでは外に持ち出してきた。道中のラップが遅ければ、それも納得だが、今回は4F目から3F目の区間が13.2秒。これで外を回るのだから、相当の脚力がなければ前に追いつけない。
しかし、直線に向いて仕掛けられるとしっかりと伸びて前2頭を捕まえた。6F79.5秒、1F11.9秒は素晴らしい時計だが、それ以上に外を回ってしっかり伸びたところが実戦向きという感じ。母系には1992年の桜花賞馬ニシノフラワーがいる血統だけに、ここだけにとどまらず、来春への期待を抱かせてくれるような走りを見せてほしい。
(取材・写真:井内利彰)