今週末で夏競馬となる札幌、新潟、小倉での開催が終了。来週からは中山、阪神の開催となって、秋競馬がスタート。夏の終わりということで、あまり頭数の揃わない印象があったが、昨年の小倉芝1800m(9月4日)を見直すと、14頭が出走していた。ちなみにここでの1番人気はシロニイ(栗東・池江泰寿厩舎)だった。

　今年の小倉芝1800mも頭数が揃いそうだが、下記で取り上げることができなかった馬で注目しているのがトップオブウイン(栗東・松永幹夫厩舎)。オルフェーヴル産駒で、母系には2009年フェブラリーSを勝ったサクセスブロッケンがいる血統。8月23日の栗東坂路でも4F53.5秒、1F12.5秒と動けているので、あまり人気がないようなら、馬券的にも注目してみてほしい。

【9月2日(土)　新潟芝1400m】

◆ダノンスマッシュ(牡、父ロードカナロア、母スピニングワイルドキャット、栗東・安田隆行厩舎)

　ステルヴィオが新馬、コスモス賞と連勝するなど、新種牡馬ながら存在感を示しているロードカナロア。現役時代は安田隆行厩舎で管理されていたが、同厩舎からもトロワゼトワルが新馬勝ちしている。この馬と同じくらい陣営の評価が高いのが本馬。

　8月16日のCWでの併せ馬は6F時計が87.0秒と遅かったものの、反応の良さを見せる動き。その翌週、23日のCWでの併せ馬は前半からしっかりと速いラップを踏んで、6F82.3秒の時計をマーク。古馬500万下を1秒以上追いかける内容だったが、大きく先着してゴール。仕掛けられてからの反応が素早く、重心が低めで推進力ある走りが印象的だった。25日にはゲート練習もしており、レースに向けて万全の態勢を整えている。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。

【9月3日(日)　小倉芝1800m】

◆メイショウテッコン(牡、父マンハッタンカフェ、母エーシンベロシティ、栗東・高橋義忠厩舎)

　母系には新馬、フェニックス賞と連勝したエイシンヴァイデン(父Touch Gold)がいる血統で、2016年北海道セレクションセールにて、1600万円で落札されている。8月16日に栗東坂路で4F53.6秒の追い切りを消化していたが、その時点ではさほど目立つところはなかった。

　しかし8月24日のCW追い切り。レースでも騎乗予定の鮫島克駿騎手が跨って、クリノヤマトノオーを追走する内容。相手は追い切りでもかなり動くタイプだが、それを内からしっかりと交わしていく。その時計は6F81.1秒。ラスト1Fも11.8秒と伸びており、動きとしては文句ない。追い切りを見守った矢野正樹調教助手は「走る馬と思っているだけに、この動きを見せてくれると楽しみが増しますね」と笑顔だった。

◆レッドヴァール(牝、父ディープインパクト、母レッドヴァージン、栗東・松田国英厩舎)

　母系には2013年朝日CCを勝ったアルキメデス(父アドマイヤムーン)がいる血統。本馬は6月23日にゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されており、7月6日に栗東へ再入厩している。本格的な追い切りは8月に入ってから進められており、8月16日からCWで追い切っている。

　8月23日のCW追い切りはレースでも騎乗予定の浜中俊騎手が跨って、2歳未勝利を追走する内容。時計は6F85.8秒と遅めだが、軽く仕掛けられると内からスルリと相手を交わして先着。1F11.9秒を楽にマークした脚力はなかなかのもの。もっと速いラップを踏んだ時に直線でどんな動きができるか未知だが、ディープインパクト産駒という血統的なことを考えれば、まだまだ伸びしろはありそう。

◆ラストクルセイド(牡、父マンハッタンカフェ、母ココロチラリ、栗東・西浦勝一厩舎)

　母系に未勝利、ききょうSと連勝したネオヴァンクル(父フレンチデピュティ)がいる血統。本馬は5月25日にゲート試験に合格。その後、一旦放牧に出されており、7月27日にグリーンウッドから栗東へ再入厩している。

　中間の併せ馬はすでに先週デビューしたワンウインがパートナーだったが、8月16日の芝馬場での追い切りで先着。たっぷりと水分を含んだ芝だったこともあり、ここでの動きは見た目に派手さはなかったが、8月23日のCWコースでは見どころある動き。少し内目を回ったとはいえ、叩き合いをきっちり先着して、6F81.0秒の時計。数字通りに実戦でも動くことができれば、当然勝ち負けということになりそう。

(取材・写真：井内利彰)