ドゥラメンテとよく似た体型をしているというアドマイヤキング(写真右・撮影:井内利彰)
この時期になり、2歳未勝利の番組が増えてきたことで、デビュー戦で惜敗した馬がきっちり巻き返しているケースが目立っている。先週の阪神芝1400mを勝ち上がったダノンスマッシュ(栗東・安田隆行厩舎)もそのうちの1頭。
これで安田隆行厩舎のロードカナロア産駒は4頭がデビューして3頭が勝ち上がり。現在不在厩のサンライズカナロアもレースレベルの高い阪神マイルで5着だから、勝ち上がりも時間の問題。ロードカナロア産駒が優秀であると同時に、さすが現役時代に管理していた厩舎という結果を出している。
【9月30日(土) 阪神芝1800m】
◆アドマイヤキング(牡、父キングカメハメハ、母アドマイヤテンバ、栗東・友道康夫厩舎)
皐月賞、日本ダービーを優勝したおじのドゥラメンテ(父キングカメハメハ)を筆頭に、クイーンエリザベス2世カップを勝ったルーラーシップ(父キングカメハメハ)などがいる超良血。「ドゥラメンテと血統構成がほとんど同じということもあって、よく似た体型をしている」と友道康夫調教師。
函館でゲート試験に合格した後、牧場での調整を挟んで、栗東へ入厩。大柄な馬体なので、追い切りの動きはまだ緩慢だろうと思いきや、9月7日のCWコースでの追い切りからしっかりと動けていた。その翌週の芝馬場でも3頭併せの大外で楽な走り。レースでも騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨った9月21日のCWでは、ジュンヴァルロ(父ニューアプローチ)を1秒以上追いかけたこともあり、追いつくのがやっとという感じ。やはり道中のペースが速くなると、追走に手間取りそうな感じだが、このひと追いで良くなってくるだろう。
【9月30日(土) 阪神ダート1800m】
◆メイショウワザシ(牡、父アイルハヴアナザー、母メイショウワカツキ、栗東・南井克巳厩舎)
同厩舎で管理されている半姉メイショウカズヒメ(父フレンチデピュティ)は阪神ダート1200mで新馬勝ちしているが、本馬に関しては「将来的には短い距離かも知れないけど、現状では1800mまでこなしてくれると思います」と調教に跨る南井大志調教助手。
確かに追い切りでのフットワークからは短距離というイメージはない。大きなストライドで一完歩ごとに迫力ある走りを見せてくれる。時計的には9月13日のCWコースが速い6Fになったが、終い重点だった9月21日のCWも素晴らしい動き。実戦になって急かされた時にどんな走りになるか微妙なところはあるものの、自分のペースで走ることができれば、かなり高いパフォーマンスを見せるだろう。鞍上は秋山真一郎騎手が予定されている。
◆レッドアルディ(牡、父アイルハヴアナザー、母ライブリーチューン、栗東・松永幹夫厩舎)
半兄にダート中距離で5勝、障害では清秋ジャンプSなど3勝を挙げたダノンゴールド(父ゴールドアリュール)、母系には2011年中山大障害、2012年中山グランドJを勝ったマジェスティバイオ(父オペラハウス)がいる血統。
本馬は8月4日にグリーンウッドから栗東へ入厩。8月17日にゲート試験に合格し、それから本格的な追い切りを開始。9月21日にはレースで騎乗予定の武豊騎手が跨って、新馬ブラゾンダムール(父ディープインパクト)を追いかけて、余裕のある手応えで追いついている。「あまりスピード感ある動きに見えませんでしたが、それでも時計は6F84秒台。終いもしっかりしていましたから、動ける態勢は整ってきました」と松永幹夫調教師。一応、デビューは同日阪神芝1800mとの両睨みということになっている。
【10月1日(日) 阪神芝1400m】
◆ウインシノビ(牡、父ヨハネスブルグ、母セイウンクノイチ、栗東・西園正都厩舎)
半兄セイウンワンダー(父グラスワンダー)は2008年朝日杯フューチュリティSでG1を制覇。本馬は2016年セレクションセール1歳にて、1900万円で落札されている。
9月15日のCWコースではクロンプリンツとの併せ馬でどちらも一杯になるような動き。それでいて6F88.2秒、1F13.7秒は時計的にも見た目の印象的にもあまり評価できなかった。しかし翌週21日にコスモインザハートを加えた3頭併せになると動きが一変。当然ながら、新馬勝ちしたコスモインザハートが一番動いたのだが、クロンプリンツが早々に脱落するところをコスモに食い下がろうとしっかり走れていた。結果的には遅れてしまったが、時計は6F80.8秒。これだけ動くことができれば、レースでも良い結果を期待してよさそう。鞍上は松山弘平騎手が予定されている。
(取材・写真:井内利彰)