毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【京都大賞典(京都芝の傾向)】
日曜の芝は稍重で始まり、午前11時36分に良馬場に回復。芝6鞍の勝ち馬の最終4角位置は8番手、2番手、1番手、3番手、9番手、1番手(メイン・オパールSはソルヴェイグの逃げ切り)。一見するとバラエティーに富んでいるように見えるが、基本的には「内&前有利」の傾向。
例えば、10R・清滝特別はクリノヤマトノオーが道中は内で脚を溜めて、極端に外に出さず4角9番手から一気。2着ブランドベルグは逃げて粘った。春の京都開催(4月22日〜5月28日)の芝コースはC、Dコースを使用したのに対し、秋開催は移動柵を使わない一番広いAコース使用。
春の開催で馬が走っていない「内寄り」の芝が傷んでいないのは当然で、近年の秋の京都開催1〜2週目は「逃げるにしても、差すにしても内有利」が定石。秋華賞でいえば、早め先頭で押し切った11年アヴェンチュラや、イン差しを決めた14年ショウナンパンドラが典型的な勝ちパターン。
土曜はやや時計が掛かったが、日曜メインのオパールS(芝1200m)は1分7秒5。例年秋の京都らしい「高速時計」になっている。好天予報の月曜はさらに乾くはずで、京都大賞典はペースが上がるようなら「2分23秒後半〜2分24秒台前半」の時計が出てもおかしくない。
14年ラストインパクトが4角3番手、15年ラブリーデイは同6番手、16年キタサンブラックは同2番手。乱ペースにならない限り、ある程度は流れに乗れる馬がやはり強い。後方組は展開待ちに。差すにしても馬群を縫える器用さが必要になってくる。