傾向としてはこれまで同様、先行有利な金沢競馬場の馬場(撮影:武田明彦)
昨年末から続いた最強寒波。その影響から12月末の開催は順延をするも、競走取り止め。そのままオフシーズンに突入した金沢競馬だが、最強寒波の猛威は薄れず1月中旬にも市内で30cmを超える降雪を記録。2月初旬にはニュースでご覧になった方も多いであろう、福井〜石川間で交通マヒが発生する大雪に見舞われた。競馬場がある金沢市内でもその影響は大きく、70cm以上はあるかと思える積雪。交通機関はストップし、1キロの移動でも車では4〜5時間も要するほどだった。この状況下だけに除雪車は不足し、現在行われている競馬場施設の耐震工事は遅れ、厩舎内の除雪はできる状態になかった。
この後、角馬場〜内馬場と整備され、主に使用される本馬場が使えるようになったのは2月末。この時点で予定をしていた3月18日には1カ月に満たず、早々に3月25日開幕に切り替えたのだが、それでも開幕まで1カ月足らず。1〜2月まで引き運動すらまともにできない状況だったため、乗り出しを始めても急な運動は無理な話。通常の調教をこなせるようになったのは、3月2週に入ってからだった。
つまり、重視するのは調子。正直、金沢在厩馬では仕上りに不安は残る状態。3月25〜27日の開幕3日間開催は、疲れがあったとしても冬期に他地区で出走していた馬が圧倒的に有利だろう。また放牧に出されていた馬も、競馬場よりは牧場のほうが順調に調整できているので問題はない。
そして、次に重視するのは格。金沢競馬では7歳になると番組賞金をカットする仕組みで、さらに2年間賞金0であれば最下級で出走できる場合も。今年に入り、JRAオープン馬のナガラオリオン、トミケンユークアイ(いずれも9歳)、その他でもJRA2〜4勝馬が入厩。賞金控除の関係上、出走クラスは異なるだろうが、クラスが恵まれそうな馬もいる。JRAでは頭打ちでも、金沢ではまだまだ活躍できそうだけに、元JRA馬が出走したときは要チェック。
最後に、馬場に関しては昨年と大きく変わった感じがしないとジョッキーから話を聞いた。多少、泥のように堅い馬場にはなっているが、傾向としては変わらず先行馬が有利な馬場になるだろう。「ウマい馬券」では、直前の様子を見て吟味したいと思う。
(取材・文=金沢競馬専門紙「競馬ホープ」記者・中村勇好)