毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【高松宮記念(中京芝の傾向)】
土曜の中京芝は稍重で終日開催。月曜〜木曜まで降り続いた雨の影響が残り、土曜最終レース段階では前2年よりも時計が掛かり、パワーを要した。
大きな指標になるのは過去2年同様、土曜12Rに組まれた芝1200mの岡崎特別(古馬1000万下)。今年は4番手から抜け出したメイショウカリンが勝ち、1分9秒7と遅い決着。1〜3着馬の最終4コーナーの位置は「4番手、2番手、2番手」で完全な先行馬決着。レース前半3F34秒7〜後半3F35秒0とほぼ平均で、緩ペースで時計が遅かった訳ではない。週中の雨が影響したと見るべきだろう。ちなみに岡崎特別の16年優勝馬シゲルチャグチャグが1分7秒4、17年優勝馬オヒアは1分8秒7(いずれも良)。
ビッグアーサーが1分6秒7の驚がくレコードで勝った「超高速馬場」の16年と比べると1200m換算で2秒以上、昨年の土曜が通常の良馬場とみても、1秒は時計を要した計算。日曜は好天予報で良馬場に回復する見込みだが、2年前のような「超高速決着」になる可能性は薄い。高松宮記念の優勝馬推定タイムは1分7秒台後半あたりか。持ち時計的には、ほとんどの馬に優勝チャンスはある。
また、今週からBコースに替わり、内3メートル地点に内柵が設置された。柵の設置で内寄りの傷みは軽減され、先行馬有利の状況だが、土曜は岡崎特別以外の芝1600、2200メートル戦では差し、追い込みが届いていた。ただ、芝1200メートルで行われる高松宮記念は近年は先行馬優勢。コース改装後の12年以降の優勝馬6頭中、5頭は最終4コーナーで4番手以内に位置していた。