毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”を
コンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【天皇賞・春(京都芝の傾向)】
先週のマイラーズCではレコードが出た京都芝コース。土曜の芝は良馬場。週中火〜水曜の36ミリの雨の影響は結果的にほとんどなかった。ただ金曜時点でダートは稍重(土曜は良)で、先週日曜と比べると多少水分は含んだ状態といえる。
先週は開幕週のわりに差しも届いていた。ただ、土曜の競馬を見た目通りに解釈すれば「前有利」だった。土曜の芝は6鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、10番手、1番手、1番手、2番手、2番手」。唯一後方から勝ったのは5R・3歳未勝利戦(内回り芝2000m)の
サンレイポケット。道中14番手から4コーナーでは大外を回し、突き抜けたのだから、7番人気と評価は低かったが、結果的には力が上だったのだろう。前半5F62秒0と展開には恵まれていない。
3R・3歳未勝利戦(芝1800m)を最終4コーナー先頭から押し切った1番人気
ルナステラが1分48秒7。土曜午前時点では標準的な良馬場。9R・矢車賞(芝2200m)は前半5F62秒9の超スロー。これを2番手から制した
トーホウアルテミス(8番人気)は展開の恩恵もある。10R・烏丸S(芝2400m)は前半スローを見越し、序盤は8番手にいた1番人気
ポポカテペトルが向正面で前に動き、押し切った。勝ち時計2分25秒6。これも標準的な良馬場の時計。
ただ、日曜の京都は予想最高気温29度と高く、同じ良馬場でもさらに乾き、先週日曜同様に「高速馬場化」する可能性はある。天皇賞は乱ペースは考えにくい構成。過去の傾向通り、2周目最終4コーナーでは「5番手以内」にいないと厳しいだろう。前哨戦では高速決着だった阪神大賞典組の方が、馬場が緩かった日経賞や京都記念より直結しやすいと見る。