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シーザリオの仔、サートゥルナーリアが阪神芝1600mでデビュー/関西馬メイクデビュー情報

2018年06月04日 18:01

調教でペルシアンナイトに食い下がる場面も見せたサートゥルナーリア(撮影:井内利彰)

 先週からスタートしたメイクデビュー。手前味噌になるが、阪神競馬場で勝ち上がった2頭はいずれも当欄で紹介した馬。やはりデビュー前から追い切りで目立った動きを見せていると、そのスピードが実戦でも勝因のひとつになっていることは間違いない。

 芝1600mを勝ち上がったジャミールフエルテ(栗東・大久保龍志厩舎)は最終追い切りで前が壁になるようなシーンがあったが、それでも怯むこともなく、引っかかるわけでもなく、平然とゴールしていた。実戦でも馬群で待機して直線で割って出てくるようなシーンがあり、調教でより実戦に近い走りをしていることもデビュー勝ちに必要な調教要素かも知れない。

【6月9日(土) 阪神芝1200m】

◆ヒラソール(牡、父マツリダゴッホ、母ハナイチリン、栗東・加用正厩舎)

 祖母の名にオールドファンには懐かしいリンデンリリー。1991年エリザベス女王杯を優勝しており、この母系からは平地で5勝、障害で2勝を挙げたヤマカツハクリュウも出ている。ちなみにマツリダゴッホ産駒には、2016年チャレンジCを勝ったマイネルハニーなどがいる。

 4月下旬にゲート試験に合格し、5月上旬からは毎週のように岩田康誠騎手が跨っての追い切り。CW、栗芝、坂路といろんな馬場を使っているが、時計自体は決して目立っていない。しかし併せ馬では常に手応え優勢なので、実戦ではかなり動けそうな予感がする。

◆エイトマイル(牡、父スクリーンヒーロー、母グリーンアイズII、栗東・西園正都厩舎)

 半姉スパイチャクラは芝1200mで3勝。「姉同様、いいスピードを持っていると思いますが、大物を出すスクリーンヒーローの産駒ですし、そういった雰囲気も十分にありますよ」と西園正都調教師。

 ゲート試験ではそのダッシュ力が目立っていたが、5月30日の坂路ではスピードを見せつける走り。レースでも騎乗予定の幸英明騎手が跨って、4F53.7秒〜1F12.3秒。2Fは24.8秒と終いがしっかりした走りで脚力は十分。スタート次第では、前へ行ってそのままというシーンも十分にありそう。

【6月10日(日) 阪神芝1600m】

◆サートゥルナーリア(牡、父ロードカナロア、母シーザリオ、栗東・角居勝彦厩舎)

 先週の安田記念、最終追い切りでペルシアンナイトの映像を見た方は「なんだ、この緑ゼッケンは」と思ったはず。それが本馬。角居勝彦厩舎の3頭併せで真ん中だったが、たまたま前方を走っていたペルシアンナイトに追いつき、ゴール前では併せるような形になった。さすがに遅れたものの、食い下がろうとした脚力はさすが。レースに向けて、かなり実戦的な内容になったことは間違いない。

 2週前追い切りでも素晴らしい動きだったが、それに伴って、普段の調教が少し煩くなってきた印象。母シーザリオはもちろん、エピファネイア、リオンディーズとこの血統を知り尽くした厩舎だけに、うまく調整してくるとは思うが、今後は気性面が課題になってくるかも知れない。レースにはM.デムーロ騎手が騎乗する予定。

【6月10日(日) 東京芝1800m】

◆ダノンシティ(牡、父Medaglia d'Oro、母シティトゥシティ、栗東・橋口慎介厩舎)

 日本で活躍するMedaglia d'Oro産駒には、ダートで4勝を挙げたエーシンゴールドがイメージ通りの実績を残したが、エーシンメンフィスは愛知杯で重賞、フィドゥーシアは韋駄天Sでオープン特別と芝でも実績を残している。橋口慎介調教師も「芝にも適性があるフットワーク」と期待を込めての番組選択となった。

 5月30日の坂路での1週前追い切りにはレースで騎乗予定の武豊騎手が跨った。未勝利馬を追走する内容だったが、きっちりと追いついて先着。時計は4F52.2秒とこれまでマークしていた最も速い時計から3秒詰めてきた。あとは実戦でどんな走りを見せてくれるかだけ。

(取材・文:井内利彰)

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