今週から中山と阪神での開催が始まり、いよいよ秋競馬が開幕。阪神競馬場は芝もダートもいろんな距離が設定できるので、この開催まで待ってじっくりと調整してきた馬もたくさんいて、楽しみな開催になりそう。
【9月8日(土) 阪神芝1600m】
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ノイーヴァ(牝、父
Temple City、母Malibu Pier、栗東・安田翔伍厩舎)
日本で活躍した父産駒には芝1600mと芝1800mでそれぞれ1勝ずつ挙げた
ネオヴェルザンディがいる。本馬は6月28日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されて、栗東へ再入厩している。
追い切りを開始した当初は「坂路では集中して走れるけど、CWでは少し気を抜くところがありますね」と話していた安田翔伍調教師。しかし、8月30日のCWでの追い切りはレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、古馬1000万下の
ダノンシーザーを追走して先着。6F82.5秒と全体時計も速く、デビュー前の追い切りとしては水準以上の内容で動けている。
【9月9日(日) 阪神芝1400m(牝)】
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イベリス(牝、父
ロードカナロア、母セレブラール、栗東・角田晃一厩舎)
半姉はファンタジーSなど重賞5勝を挙げた
ベルカント(父サクラバクシンオー)だが、同馬を含め、きょうだいはすべて角田晃一厩舎で管理されている。この血統を知り尽くす角田晃一調教師だが、本馬のデビュー戦については「走ると思うよ」という一言に期待と自信が込められているような気がする。
客観的にそう感じることができたのが、ここ2週の追い切り。8月23日の坂路では2F24.8秒、1F12.0秒と動いた。4F53.6秒と全体時計は平凡でも終いがしっかりした動きは新馬として水準以上。そして、8月29日のCWでは3頭併せを最後方から追走してきっちり先着。6F82.8秒、1F12.1秒と時計的にも評価できる内容なので、あとは実戦でどんな走りを見せてくれるか。鞍上は武豊騎手が予定されている。
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ドナウデルタ(牝、父
ロードカナロア、母ドナウブルー、栗東・石坂正厩舎)
母は関屋記念など重賞2勝、おばの
ジェンティルドンナ(父ディープインパクト)は海外を含むG1で7勝を挙げたスーパーホース。いずれも石坂正厩舎で管理されており、厩舎ゆかりの血統である。
本馬は8月15日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。そこから3本目の追い切りが8月29日の坂路だったが、古馬500万下の
シェアザモーメントを追走して馬なりで先着。4F53.1秒、1F12.9秒と時計的にも十分水準以上と評価できる内容となっている。見た目はシャープすぎるくらいの馬体というのが個人的な印象だが、母もデビュー時が432キロだったので、それよりも動かした時にどのくらいの走りをするか重視すればよいだろう。鞍上は福永祐一騎手が予定されている。
【9月9日(日) 中山芝1600m】
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ダノンレグナム(牡、父ディープインパクト、母ダノンプリマドンナ、栗東・大久保龍志厩舎)
母はダートで3勝を挙げ、全姉
ダノンディーヴァは芝のマイルで2勝を挙げている。いずれも大久保龍志厩舎で管理されているが、本馬について「小倉でデビューする予定もありましたが、いろんな兼ね合いがあって、ここまで乗り込む形になりました。マイルがいい血統だと思いますし、追い切りでも動けるようになってきました」と大久保龍志調教師。
8月15日のDPでは今ひとつに感じた動きも8月22日のCWでは大きく追走して、最後はきっちりと1馬身先着する内容で6F81.4秒。馬場の内目を回っていたこと、レースで騎乗予定の浜中俊騎手が跨っていたことを考慮しても十分に動けている。8月29日の坂路では古馬500万下に先着しており、時計は52.9秒だから、どんな馬場でも動けるようになっている。レースは9月8日(土)阪神芝1600mのプランもあるが、いずれに出走しても注目の1頭になることは間違いない。
(取材・文:井内利彰)