フサイチエアデールの14番仔、ビーチサンバがルメール騎手でデビュー/関西馬メイクデビュー情報

2018年09月10日 18:00

すでにセンスの高さを見せているビーチサンバ(撮影:井内利彰)

 今週は3日間開催ということで、阪神競馬場だけでも4つのメイクデビューが組まれている。取り上げておきたい注目馬がたくさんいるので、冒頭ではnetkeiba.comのPOG指名馬ランキングで30位のディープインパクト産駒、フランクリン(牡、父ディープインパクト、母ロベルタ、栗東・音無秀孝厩舎)を紹介しておく。

 9月16日(日)の阪神芝1800mをC.ルメール騎手でデビューする予定だが、追い切りの動きがパッとしない。9月5日、CWコースでの3頭併せでは真ん中に位置して、最後は一杯に追われて、ラスト1Fが13.5秒。内にいたクリソベリルが馬なりの手応えだったことを考えれば、かなり物足りない内容だった。

 とはいえ、6F時計は81.2秒と新馬として水準以上の数字なので、このひと追いで中身ができてくればといったところ。

【9月15日(土) 阪神芝1600m(牝)】

◆ビーチサンバ(牝、父クロフネ、母フサイチエアデール、栗東・友道康夫厩舎)

 母フサイチエアデール。その2番仔フサイチリシャールが朝日杯FSを勝ったのが2005年で、本馬は14番目の仔となる。母が高齢であることから、本馬に対する偏見を持っていたが、それは完全な間違い。むしろこの母だからこそ、調教ではこれだけセンスのある馬なんだと思える動きを見せている。

 8月29日のCWコースではエタリオウより3秒先行して同入という内容。大きなリードだったとはいえ、併せた相手を考えれば、よく動いた印象だったが、驚いたのは9月5日のCW。今度はエタリオウを4馬身くらい追走する追い切り。

 ラスト1F標識手前でも2馬身ほどの差があったため、やっぱり追いつかないなと思った瞬間、鋭く伸びて前に並びかけてゴール。同入か僅かに先着かといったところだが、ラスト1Fは11.7秒。残り300mでのエンジン点火能力は競馬センスがあるからこそだろう。こういったタイプは実戦ならもっと動くかも知れない。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

【9月16日(日) 阪神芝1800m】

◆ヒロシゲヨッシー(牡、父ジャスタウェイ、母アートスタジオ、栗東・北出成人厩舎)

 デビューから2連勝のアウィルアウェイ(栗東・高野友和厩舎)、新馬戦で圧巻のパフォーマンスを見せたヴェロックス(栗東・中内田充正厩舎)など、この先も楽しみな勝ち上がりを見せているジャスタウェイ産駒。本馬の母系からは目立った活躍馬が出ていないが、父の勢いが追い切りの動きにも表れているような気がする。

 当初は北海道でのデビューが予定され、それに向けての調教を積んでいたが、動きがひと息ということで、栗東へ入厩。するとその動きは一変したかのように動くようになり、8月29日のCWコースでは古馬500万下に併せ馬で先着した。9月5日も同じCWでレースで騎乗予定の和田竜二騎手が跨っての追い切り。今度は古馬1000万下を3馬身突き放す動きで、6F80.1秒と素晴らしい時計をマークしている。やればやるほど動くだけに、最終追い切り、そしてレースでの走りに注目してみたい。

【9月17日(月) 阪神芝1400m】

◆レッドルゼル(牡、父ロードカナロア、母フレンチノワール、栗東・安田隆行厩舎)

 おじにダートで4勝を挙げたレッドヴァンクール(父クロフネ)がいるロードカナロア産駒。入厩当初は「かなり太い」ということで、安田隆行調教師の評価も辛口だったが、入厩して1ヶ月経った現在では「もう少し絞りたいところはありますが、追い切りの動きを見ると中身はしっかりしていますね」と評価が上がってきた。

 それもそのはず、8月29日の栗東坂路では4F52.6秒、1F12.3秒を余力ある状態でマーク。9月5日のCWコースでは新馬ノヴェッラを5馬身突き放して、最後は余裕の手応え。6F80.3秒は馬場の真ん中を通ったことを考慮しても優秀な時計。坂路でもトラックでもここまで動くことができれば、デビュー戦は勝ち負け必至だろう。鞍上は北村友一騎手が予定されている。

【9月17日(月) 阪神ダート1800m】

◆クリソベリル(牡、父ゴールドアリュール、母クリソプレーズ、栗東・音無秀孝厩舎)

 宝塚記念、エリザベス女王杯を制したマリアライト(父ディープインパクト)という半姉がいるが、全兄はダートで活躍するクリソライト。その兄とは「全くタイプが違う」という音無秀孝調教師だが、いい意味で違うのではないかというのが個人的な印象。

 新潟ダート1800mを除外されたことで一度放牧へ出されているが、むしろ前回入厩時よりも動けるようになってきた。8月30日の坂路では馬なりで4F52.1秒をマークし、3歳500万下を相手に楽々と併入。9月5日のCWコースでは冒頭にも記したように3頭併せの最先着。手応えにもかなり余裕があった。

 兄との違いはおっとりした気性のようだが、だからこそ除外された影響でじっくり乗り込めたことが良かったのかも知れない。鞍上は川田将雅騎手が予定されている。

(取材・文:井内利彰)

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