新馬戦を圧勝したルヴォルグ、ムーア騎手を鞍上に必勝態勢で臨む(撮影:下野雄規)
GI戦線での活躍馬を毎年のように輩出している2歳戦屈指の出世レース。ただし、前週にデイリー杯2歳Sが移動、翌週の京都2歳Sも重賞に格上げされて、11月の2歳重賞は過密になった。スマートオーディンやブレスジャーニーという「将来性より完成度」というタイプが勝ったように、レースの性格に変化が生じている部分もある。
1.決め手勝負でスピードタイプが台頭
中距離タイプが揃う東京スポーツ杯2歳Sは基本的にスローペースになる。レースの上がりは速く、スタミナや体力よりも決め手の精度が問われるような形になる。昨年の勝ち馬ワグネリアンは祖母がスプリンターのブロードアピールだったし、一昨年の勝ち馬ブレスジャーニーも1400mデビューのスピード型。スマートオーディンやイスラボニータも距離に限界があるタイプだった。
2.上がり3F33秒台の経験が必要
過去6年の勝ち馬は、いずれも以前に上がり3F33秒台の末脚をマークしていた。2012年のコディーノは札幌デビューながら、新馬戦で上がり3F33.7秒をマークしていた。それ以外の前走北海道組はのきなみ苦戦していて、2016年は札幌2歳S勝ち馬トラストが3番人気5着、2009年も札幌2歳S勝ち馬サンディエゴシチーが4番人気4着。
3.圧勝実績が破壊力の証明
決め手勝負で勝ち切るためには末脚の破壊力が必要になる。その裏付けとして「(弱い相手でも)突き放して勝った実績があるか」という点に注目したい。着差が0.4秒以上の勝利を圧勝と定義すると、ワグネリアン、ブレスジャーニー、スマートオーディン、コディーノ、ディープブリランテ、サダムパテックがこれをクリアーしていた。
ルヴォルグは天皇賞当日の新馬戦を4馬身差で圧勝。上がり3F11.4-11.0-11.3という流れをほぼ持ったままの手応えで抜け出してきて、レースセンスの高さとともに決め手の鋭さをアピールした。大型馬ながら完成度は高く、ムーア騎手を鞍上に必勝態勢で臨む。