毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【マイルCS(京都の芝傾向)】
先週までのBコースに替わり、今週から移動柵を3m外に移動したCコースに変更。柵の移動で先週までに傷んだ内寄りがどれだけカバーされたかが一番の注目点だった。実際、過去のマイルCSは08年ブルーメンブラット、10年エーシンフォワード、14年ダノンシャークなど「イン差し」が決まったことも多々あった。
では今年は?結論から言えば、柵の移動で完全には内寄りの傷みはカバーできてはいない。今秋の京都開催は雨の影響を何度か受け、その分傷みは速かった。土曜は芝競走は、7鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、8番手、5番手、2番手、3番手、4番手、2番手」。これだけ見ると、特に後半は好位組が活躍した印象はあるが、2〜3着馬は外伸びの台頭が目立った。
例えば、8R・3歳上1000万下(芝2000m)は4コーナーで好位に押し上げたモーヴサファイアの川田騎手が内寄りを避け、馬場真ん中に持ち出して押し切った。2着センテリュオは最終4コーナー10番手から外伸び。
10R・比叡Sも逃げたケンホファヴァルト(4着)の川田騎手は内ラチ沿いに寄らず、馬場の中央へ。傷んだ内寄りを走りたくない騎手心理があるのだろう。このレース、2着アクートは外伸びだった。晴天が続いているが、例年の京都に比べると、時計は引き続き掛かる。
メイン11R・アンドロメダS(芝2000m)を勝ったドレッドノータスは2分0秒4。前半スローだったこともあるが、通常の京都なら2分を切っていたはず。
昨年のマイルCSは土曜の雨で内寄りの傷みが進んだことで「外差し基調」になったが、今年もそれに近い状態。少なくとも傷み気味の内寄りを通る利は少ない。先行型が中央に出して押し切るケースはないといえないが、基本的には「中〜外差し馬場」とみている。