松永昌博調教師の期待馬ラプタス(写真奥、撮影:井内利彰)
いよいよ2018年最後のメイクデビューとなる開催。先週火曜日に競馬番組に関するJRAの発表があったが、2019年は秋季開催での3歳未勝利を行わない。これによって、未勝利の番組数が減るということはなく、夏季番組までに振り分けられるそうだが、体質的な問題からデビューが遅くなる馬にとっては厳しい番組となりそう。
また、3走成績による出走制限が復活。内容としては、新馬戦を除く、未勝利戦で3走続けて9着以下になった場合は2ヶ月間の平地競走への出走ができなくなる。つまり、7月開催の未勝利戦で3回目の連続した9着以下になると、未勝利戦に出走できないという状況になる。来年はメイクデビュー、未勝利戦ともに大きな転換期となりそうだ。
【12月1日(土) 阪神芝1600m】
◆クインズジャスミン(牝、父ジャスタウェイ、母ジャストトゥートゥー、栗東・野中賢二厩舎)
半姉に芝で5勝を挙げ、重賞ではマーメイドS、小倉大賞典で2着の実績を残したクインズミラーグロ(父マンハッタンカフェ)がいる。父が新種牡馬ジャスタウェイに替わったが、新馬、ダリア賞を連勝したアウィルアウェイ(栗東・高野友和厩舎)など、活躍馬は多数いる。
本馬は11月22日のCWで古馬500万下を追走して、きっちり追いついて同入。時計は6F82.9秒と水準の数字はマークしている。「まだ緩さはありますが、素質はいいものを持っていますね」と野中賢二調教師。距離に関しては「姉同様、中距離でも十分やれると思いますが、前向きなところがありますし、最初はマイルから使ってみます」とのこと。鞍上は武豊騎手が予定されている。
【12月1日(土) 阪神ダート1400m】
◆フォレブルート(牝、父ロードカナロア、母プリームス、栗東・安田隆行厩舎)
全姉に同厩舎で管理されたリーズンがいるが、JRAでは未勝利に終わった。「弱いところがあって、勝ち上がることができませんでしたが、園田で連勝。11月に厩舎へ戻ってきました」と安田隆行調教師。
本馬については「追い切りでもしっかり動けているように、現時点での完成度は全然違いますね」と同師。その言葉通り、11月21日のCWでは、古馬1000万下を追いかけて楽な手応えで同入。6F81.7秒、1F11.8秒は数字的にも文句ない。栗東坂路での追い切りでもしっかり動けており、こちらはデビュー戦から能力全開となりそう。鞍上はC.デムーロ騎手が予定されている。
【12月2日(日) 阪神芝2000m】
◆ラプタス(牡、父ディープブリランテ、母エアラホーヤ、栗東・松永昌博厩舎)
半兄に神戸新聞杯2着などの重賞実績を残し、芝で3勝、障害で1勝を挙げたマジェスティハーツがいる。兄を管理した松永昌博調教師も「走ってもらわないと」と期待は大きい。
夏に栗東へ入厩していた時から動きは目立っていたが、一旦放牧へ出されて、戻ってきてからも順調。11月22日のCWではメイショウラケーテとの併せ馬だったが、追い出されてからの伸びが良く、きっちり先着している。6F82.0秒は十分な数字だし、まだ動けそうな余裕がある走りだった。鞍上は武豊騎手が予定されている。
【12月2日(日) 阪神ダート1400m】
◆メイショウナリカク(牡、父メイショウボーラー、母フォーモサマンボ、栗東・安達昭夫厩舎)
母系に牝馬三冠、そして昨日のジャパンカップを勝ったアーモンドアイ(父ロードカナロア)がいる血統。本馬は父メイショウボーラー、母父ノボジャックという血統なので、ダートの短距離が向く配合であることは間違いない。
11月21日の追い切りは目立たない時計だったが、11月15日のCW追い切りが優秀。単走だったが、6F80.9秒という時計は馬場の荒れた時間帯だったことを考えると評価できる。自分のリズムで走れば、スピード乗りが良いので、レースでも前半の位置取りが鍵になってきそう。鞍上は国分恭介騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)