グランアレグリアが勝利した新馬戦、2着はダノンファンタジーだった(撮影:下野雄規)
2019年の牝馬クラシックは、6月の新馬戦でワンツーした2頭、グランアレグリアとダノンファンタジーが中心となりそうだ。
その新馬戦を1.33.6と好時計で快勝したグランアレグリアは続くサウジアラビアRCも楽勝。朝日杯FSこそ3着に敗れたが、初の関西輸送、初の右回りと厳しい条件だっただけに、まだ評価を下げることはできない。
一方、新馬戦で2着に敗れたダノンファンタジーは、その後に3連勝で阪神JFを制し、2歳牝馬チャンピオンに輝いた。前に行ってよし、控えてよしの競馬センスの高い馬で、現状、弱点は見当たらない。春はチューリップ賞から始動する予定だ。
割って入るとすれば、その筆頭は阪神JF2着のクロノジェネシスか。阪神JFではメンバー最速の上がり3F33秒9を使っており、その切れ味は前出2頭に全くヒケを取らない。位置取りや乗り方ひとつで逆転があってもおかしくないだろう。
阪神JFでは4着に終わったシェーングランツは、内枠が仇になってスムーズさを欠く競馬だった。桜花賞での巻き返しはもちろん、距離や東京コースへの融通性を考えると、オークスでも面白い存在となりそうだ。
オークスでの注目は、エリカ賞を逃げ切ったエールヴォア。1800mの未勝利戦も好時計で勝っており、距離延長で頭角を現してきた。雄大な馬体と大きなストライドから、東京2400mは最適舞台と言えるのではないだろうか。
勢力図を一気に塗り替える魅力を秘めているのが、新馬、白菊賞を連勝したラヴズオンリーユー。ともに出遅れながら上がり最速での差し切り勝ちで、まだ荒削りながら秘めたる素質は相当に高そう。騎乗した岩田騎手も「追い出してからの反応がすごかった」と絶賛する。まだ正式なローテーションの発表はないが、そのレース内容次第で、一気に2019年牝馬クラシック路線の中心に躍り出る可能性もあるだろう。
1勝馬では阪神JF3着のビーチサンバ、2戦目は敗れたものの新馬戦では極上の切れ味を見せていたレディマクベスにも注目。名牝ウオッカの娘・タニノミッションの巻き返しにも期待したい。