終いにえげつない伸びを見せたカツジ(撮影:井内利彰)
先週に引き続き、今週もこの時季らしい冷え込み。30日の調教開始前の気温が-1℃。31日は1℃。気温としては、30日の方が低かったが、この日は午前中から日差しがあり、気温もどんどん上昇した。対して、31日は時折雨も降るような天気だったので、気温もさほど上がっていない。
ウッドチップ馬場に関しては、先週末の雪の影響を受けているのか、Cコースは時計を要する状態。ただ、30日が快晴だったこともあり、翌日は比較的走りやすい馬場に変化していた。
【坂路/4F51.9秒】
1月30日。一番時計は50.0秒のイラプション(栗東・宮本博厩舎)。デビュー前から追い切りでは速い時計を出していたが、ここまでの時計は初めて。つまり自己ベスト更新なので、この馬自身の状態が良かったと考えるべきだろう。
まして、全体的な時計の出方は先週よりも遅め。このあたりは雪の影響を受けたものと考えられるが、とはいっても基準時計より遅いといった印象はない。東京新聞杯(2月3日・東京芝1600m)に出走予定のインディチャンプ(栗東・音無秀孝厩舎)も4F50.3秒で自己ベストを更新しているが、こちらも現時点がデビュー以来最高の状態だと考えてよいだろう。
1月31日。追い切り頭数が少なかったこともあり、全体的に速い時計は出ていないが、一番時計は49.7秒のアドマイヤリアル(栗東・梅田智之厩舎)だった。
先週の馬場差は「-0.5秒」。30日に関しては、先週に比べると多少時計を要している印象。よって『-0.3秒』で馬場差を記録。31日に関しては先週と同じ『-0.5秒』の馬場差を記録している。
【CW/5F66.0秒】
1月30日。馬場差だが、先週が基準時計通りの「±0.0秒」だったが、この日は全体的な動きを見ているかぎり、それ以上に時計を要する馬場という印象が強かった。ただ、実際の数字を全体的に見渡すと先週とはさほど変わりないため、この判断が難しい。ここは自分の見た目と乗り手の感想なども踏まえて、先週よりも時計を要する馬場差で記録することにした。
1月31日。30日の好天が影響し、馬場が乾いて走りやすい状態になった感じ。全体的に見ても前日よりも時計が出る馬場状態だった。
とはいえ、素晴らしい動きを見せたのがカツジ(栗東・池添兼雄厩舎)。もともと追い切りでは動く馬だが、併せた相手が止まって見えるくらいに終いがえげつない伸び。時計も6F80.7〜5F65.3〜4F50.9〜3F37.1〜1F11.5秒と素晴らしく、出走予定の洛陽S(2月9日・京都芝1600m)での結果が楽しみ。
逆にこの走りやすい馬場で動きが芳しくなかったクラージュゲリエ(栗東・池江泰寿厩舎)。2回目のハローが終了した直後の時間帯で、向正面から時計を出す意図を感じるラップで入っていく。最後の直線で内から並びかけていき、抜け出してくると思ったところだったが、相手カフェブリッツの手応えが楽で、逆に遅れてしまった。
時計は6F81.5〜5F67.7〜4F53.2〜3F38.4〜1F12.0秒。数字的には全く問題ないが、実際の動きを考えると、次走予定の共同通信杯(2月10日・東京芝1800m)でどのようなパフォーマンスになるか気になるところ。
先週の馬場差は「±0.0秒」。項の冒頭にも記したように、馬場差が難しい30日だが、ここは先週より気持ち時計を要する『+0.2秒』で馬場差を記録。対して、31日は全体的な時計の出方を見ても、前日はもちろん、先週よりも時計が出ていたので『-0.3秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は30日に芝馬場での追い切りが少数。時計自体は遅かったが、走っている時の掘れ具合を確認すると馬場状態としては標準。よって、馬場差としては30日、31日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週とほぼ同じ。時計の出方は極端に速い数字がなくなり、かなり安定した状態。今週の馬場差も『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)