日本馬が海外へ大挙遠征する国際レースは年2回あるが、そのうちのひとつが3月末に行われるドバイミーティング(もうひとつは12月の香港国際競走)だ。ドバイワールドカップデーと称されるこの日、9つの重賞競走が行われ、その賞金総額は3500万ドル(約38億5000万円)。香港国際競走はもちろん、世界のどの競馬開催をも凌駕するビッグイベントだ。
ドバイは、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつで、中東を代表する大都市のひとつ。首長を務めるモハメド殿下は著名な生産者兼馬主として知られ、世界最大級の生産・馬主組織であるゴドルフィンを統括している。
ドバイミーティングが行われるメイダン競馬場は2010年に開場。モハメド殿下の主導で建設された。砂漠気候なので、3月とはいえ日中の気温は30度を超す。しかし、日の出前や日の入り後は思いのほか涼しい。馬房は冷房が完備されているため、馬は快適に過ごすことができ、消耗は少ない。
高額賞金レースということで、日本はもちろんアメリカ、イギリス、フランス、アイルランドなど世界の主要競馬国から出走馬が集まる。ダートのレースはアメリカ調教馬が強く、地元ドバイがそれに次ぐ存在。芝のレースはヨーロッパ勢、ドバイ、日本が拮抗しており、毎年激しい戦いが繰り広げられている。
日本からの遠征馬のなかで目玉といえる存在は、ドバイターフ(GI・芝1800m)に出走を予定している
アーモンドアイ。昨年の牝馬3冠馬で
ジャパンCをレコード勝ちした女傑だ。イギリスのブックメーカーも、日本式に換算して単勝2倍程度の1番人気に推している。このレースは日本馬が毎年のように好走しており、過去5年間で3勝、2着1回。唯一連対馬を出せなかった15年は、出走馬がなかった。今年は
ヴィブロス、
ディアドラを含めて上位独占もありうる。
芝中距離は日本馬が最も得意とする舞台であり、ドバイシーマクラシック(GI・芝2410m)も過去10年間で4回連対と優れた成績を挙げている。
レイデオロ、
スワーヴリチャード、
シュヴァルグランの3頭はいずれもGI馬なので期待したい。
ダートのレースはアメリカ勢やドバイ勢の層が厚すぎるため、日本調教馬にとって分のいい舞台とはいえない。ドバイゴールデンシャヒーン(GI・ダ1200m)とドバイワールドC(GI・ダ2000m)は厳しい戦いとなりそうだ(ドバイワールドCに出走予定だった
ケイティブレイブは出走取消、日本馬の出走はなくなった)。
日本馬から馬券を買うなら、日本馬が得意としているレースを狙いたいところ。応援馬券で単勝を買う人が多いので、馬単系の2、3着付けは人気馬同士で決まっても意外に配当が付くことがある。体調が鍵となるので、平地シーズンが本格的に開幕したばかりのヨーロッパ勢は調整具合を見極めたいところ。地元でトレーニングを積み、実戦も重ねてきたドバイ勢は信頼できる。
(文=栗山求)
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