毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

【皐月賞(中山の芝傾向)】

　いったい、雨がいつから降るのか？これが、皐月賞の馬場状態を左右する最大のポイントかもしれない。

　日曜の千葉県船橋市の予報は「曇のち雨」で降水確率80％。日曜中に降るのは間違いない。

　問題は降り出す時間帯で、これは予報機関によってもマチマチ。午後1〜2時から降り出す予報もあれば、4時以降の皐月賞には影響しない予報もある。

　土曜最終レースを終えた時点でこの稿を起こしているが、読みにくい天気予報は悩ましい。

　ちなみに土曜の芝は「良馬場」で終日施行された。内側の方は多少傷んでは見えるが、決して内を避けて通る状況ではない。

　土曜は、芝競走は4鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、5番手、9番手、8番手」と完全に差せる馬場になっているようにも見えるが、逃げた馬が2、3着に残っているケースはあった。

　例えば、皐月賞と同舞台の内回り2000mで行われた5R・3歳未勝利戦は逃げた1番人気エンシュラウドが2着に残り、4コーナー6番手に押し上げていたチェサピークベイが届いた。

　勝ち時計2分1秒8は速いとはいえないが水準級。このまま良馬場で推移すれば、皐月賞は2分台を当然切ってくるだろう。

　8R・4歳上500万下(芝1600m)は7番人気コーラルプリンセスが4コーナー9番手から伸びたが、このレースも逃げたディスパージョンは3着に粘っていた。

　多少「外差し」傾向にシフトしつつあるが、力のある馬なら、内を通れる舞台設定ともいえる。

　問題は雨の影響がどう出るか。このまま雨が降らなければ、土曜よりさらに乾き、内優位で推移した17年(勝ち馬アルアイン)のパターンまであるかも…。

　ただ雨が早めに降り出す状況下だと、昨年の有馬記念(勝ち馬ブラストワンピース)や今年の弥生賞のように内より中〜外が伸びる可能性もある。