酒井のステッキに応え末脚を伸ばすレッドジェニアル(中央)=撮影・石湯恒介
「京都新聞杯・G2」(4日、京都)
令和初のJRA重賞は単勝11番人気の伏兵が制した。
レッドジェニアルが大金星。道中は中団の内でロスなく脚をため、直線で外をはじけるように伸びると、ゴール前で逃げ粘る
ロジャーバローズを首差かわして重賞初制覇を飾った。
鞍上の酒井は14年菊花賞の
トーホウジャッカル以来のJRA重賞タイトル。「
リラックスして運ぶことができました。最後までしっかりと脚を使ってくれましたね」と声を弾ませながら振り返った。
父は04年にNHKマイルC&ダービーを制したキングカメハメハで、母レッドアゲートは08年フ
ローラS勝ち馬でオークス6着。血統は申し分なかったが、精神的な幼さが災いして未勝利を脱したのは3戦目となる2月の京都。前走のアザレア賞4着も折り合いに苦しんだ。
高橋忠師は「なるべく
テンションを上げないように工夫しました。ようやく精神面が追いついてきた」と目を細める。続けて「この馬を理解してくれていたジョッキーもうまく乗ってくれた」と好騎乗を評価した。
賞金を大きく加算してダービー(26日・東京)への出走を確実にした。「長距離輸送でメンタル面がどうなるか分からない。でも、能力は感じていた馬だし、精神面がついていければ」と指揮官は期待に胸を膨らませる。父が制した舞台で、息子も存在感を示す。