堀厩舎に入厩しているサリオス。半姉は牝馬三冠路線で活躍したサラキア(写真手前、撮影:竹之内元)
先週末行われた日本ダービーは12番人気の伏兵ロジャーバローズの勝利で幕を閉じた。競馬界の一年は「ダービーに始まりダービーに終わる」という言葉があるように、各陣営は既に来年のダービーへ向けて動き出している。
昨年一週目に行われた東京の2歳新馬戦を思い返すと、桜花賞馬グランアレグリア、チューリップ賞を勝利して桜花賞で1番人気に支持されたダノンファンタジーがワンツーフィニッシュを決めている。開幕週に出走する馬の中にも来年のクラシックホースがいるかもしれない。要注目だ。
【6月1日(土) 東京芝1400m】
◆サリオス(牡、父ハーツクライ、母サロミナ、美浦・堀宣行厩舎)
3歳上の異父姉サロニカはエルフィンSなど通算2勝。2歳上の異父姉サラキア(現2勝)はローズS2着、秋華賞4着など重賞でも活躍している。先週、先々週はウッドチップコースで5F68秒台、1F12秒台前半をマーク。3歳馬のスマイルと併せ、しっかりとした動きからも素質の高さを感じさせる。「4月に入厩した当初は緩さが目立っていたけど、少しずつ絞れてきました。540キロほどの大型馬で筋肉質なわりに素軽さがあるし、この時期としては十分に合格点。距離的にはマイル前後が合いそうです」と森調教助手。鞍上は石橋脩騎手を予定している。なお、状況次第で翌日の芝1600mに回る可能性もあり、その際の鞍上はD.レーン騎手を予定している。
【6月2日(日) 東京芝1600m】
◆アブソルティスモ(牡、父ダイワメジャー、母ラドラーダ、美浦・藤沢和雄厩舎)
現5歳の異父兄レイデオロはダービー、天皇賞・秋とGIを2勝。現6歳の全兄ティソーナはOP特別のマーガレットSなど4勝している。5月15日に坂路で4F53.9、22日に4F54.7、26日にも4F54.0をマークするなど入厩後の調教本数は実に豊富。22日はC.ルメール騎手が跨がり、3歳馬のフォッサマグナと併せている。24日には2度目のゲート試験を無事にクリアし、きっちりと出走態勢を整えてきた。「この血統らしく気がいいし、馬体も筋肉質で健康そうなタイプ。ティソーナの全弟ということになるけど、あの馬ほど性格的な難しさはなさそうだし、ゲートも大丈夫。パワフルだし、いいスピードがありそう」と藤沢和雄調教師。鞍上はC.ルメール騎手を予定している。
【6月2日(日) 東京芝1600m(牝馬)】
◆モーベット(牝、父オルフェーヴル、母アイムユアーズ、美浦・藤沢和雄厩舎)
名牝ダイナカールの一族。ファルブラヴ産駒の母は2歳戦から活躍し、フィリーズレビューなど重賞4勝の実績を残した。こちらも坂路で順調に調教本数を積み、先週の5月22日には4F53.7-12.3をマークしている。「牧場にいた頃から評判が良かった。オルフェーヴルの仔だけど、そんなに難しいところはないし、トレセンの環境にも馴染んで随分と落ち着きが出てきた。いい感じに乗り込めている」と藤沢和雄調教師。鞍上はC.ルメール騎手を予定している。
◆ロジアイリッシュ(牝、父ハーツクライ、母クイーンビーII、美浦・国枝栄厩舎)
2017年のセレクトセール(当歳セッション)に上場され、取引価格は5616万円。フランス産の母は同国の2歳重賞(カルヴァドス賞)を勝っている。「牝馬にしては馬格があって丈夫そう。気持ちが前向きで勘も良さそうなタイプ。いいスピードがありそうだし、初戦から動けるんじゃないかな」と国枝栄調教師。先週の5月22日にはウッドチップコースで4F53秒台、1F12秒台をマークしており、古馬のロジスカーレットに先着と好気配だ。
(取材・写真:竹之内元)