青木孝文厩舎所属のウイングレイテスト。半兄ベストメンバーは京都新聞杯の勝ち馬(写真中央、撮影:竹之内元)
先週から函館競馬が開幕し、夏競馬のシーズンがやってきた。16日(日)函館5Rで行われた新馬戦では、先週のニュースでも紹介したオータムレッドが上がり最速の末脚を伸ばして、見事に勝利を収めた。
オータムレッドの父は新種牡馬ワールドエースであり、これが産駒のJRA初勝利。夏競馬が始まり、ますます新種牡馬の産駒が登場するだろう。父のような活躍に期待したい。
【6月22日(土) 東京芝1800m】
◆ブルトガング(牡、父ディープインパクト、母タピッツフライ、美浦・手塚貴久厩舎)
今年の桜花賞馬グランアレグリアの全弟として話題の良血。先週の6月12日(水)には実戦でも騎乗予定のC.ルメール騎手を背にウッドチップコースで追い切られたが、その時計が想定以上に遅くなったため、週末の調教でも負荷をかけた。
14日(金)に坂路で4F57.3〜13.8を計時。16日(日)にもウッドチップコースでビッシリと追われ、5F68.8〜12.5をマーク(併せ馬で追走先着)している。
「お姉さんとは体形が違うし、気性的にも穏やかで落ち着いている。脚長でストライドが大きいし、手綱をプッシュしながらエンジンがかかるような感じ。距離的には長いところで良さが出そう。血統的にも能力があることは間違いないと思います」と手塚貴久調教師。
今週の追い切りにもC.ルメール騎手が跨がる段取りを組んでおり、その動きに注目したい。
【6月23日(日) 東京芝1600m】
◆ウイングレイテスト(牡、父スクリーンヒーロー、母グレートキャティ、美浦・青木孝文厩舎)
11歳上の半兄ベストメンバーは京都新聞杯の勝ち馬。6月12日にはウッドチップコースで長めから大きく追走させる形で負荷をかけ、水準以上の好時計を出してきた。
「まだ緩さがあるのは確かだけど、すごく扱いやすい性格。デビュー前としては時計的にも十分に動けているし、ひと追い毎に上向いている。完成の時期は先になるだろうけど、ジョッキーが求めているレベルも高いし、かなりのモノを持っていると思います」と青木孝文調教師。
鞍上は松岡正海騎手を予定している。
◆クローストゥミー(牡、父リアルインパクト、母マチカネチコウヨレ、美浦・木村哲也厩舎)
12歳上の半兄マチカネニホンバレはエルムSの勝ち馬。現6歳の半兄サトノティターンは今春のマーチSを勝っている。昨年のセレクトセールに上場され、取引価格は3348万円。
ひと追い毎に調教のピッチを上げ、ここ2週はウッドチップコースでオープン馬のランガディアと併せるなど中身の濃い追い切りを消化している。16日にも坂路でラスト1F12.2をマークした。
「稽古では格上の古馬と一緒に立ち回れている。気性が素直で落ち着いているし、スローキャンターでもフットワークの質がいい。速いところに行くと沈むようなところもあるし、素質の高さを感じています」と木村哲也調教師。
鞍上は内田博幸騎手を予定している。
◆ニシノカリウド(牡、父ダイワメジャー、母グラッブユアハート、美浦・水野貴広厩舎)
一昨年のセレクトセールに上場され、取引価格は3456万円。米国産の母はダートの交流重賞5勝を含む8勝と活躍した。その産駒は堅実に勝ち上がっている。6月12日にはウッドチップコースで3頭併せの追い切りを消化。道中は最後尾から追走し、力強いフットワークで駆け抜けた。
「ダイワメジャー産駒の大型馬で馬っぷりがいい。まずはマイルぐらいが良さそうな感じ。いいスピードがありそうだし、調教通りなら初戦から動けると思います」と水野貴広調教師。
鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。
◆レインカルナティオ(牡、父ルーラーシップ、母リビングプルーフ、美浦・小西一男厩舎)
現4歳の全姉テトラドラクマはクイーンCの勝ち馬。現3歳の半兄セプタリアンは2勝している。6月12日にはジョッキーが跨がり、坂路で4F54.1〜12.3をマークした。
「まだ子供っぽいけど、テトラドラクマほどカッとなるような感じではない。いいスピードがあるし、テンションが上がり過ぎなければ距離の融通性もありそう。血統的にも楽しみにしています」と小西一男調教師。
鞍上は田辺裕信騎手を予定している。
(取材・写真:竹之内元)