川田将雅騎手騎乗でデビュー予定のヴァリッドブラック(写真中央、撮影:井内利彰)
今週で函館、福島、中京の開催が終了。毎年、注目馬がデビューする函館芝1800mだが、先週は当欄でも紹介したゴールドシップ産駒のサトノゴールド(栗東・須貝尚介厩舎)が武豊騎手を背にデビュー勝ちを決めた。
昨年の最終週、函館芝1800mでデビュー勝ちを決めたのがウィクトーリア(栗東・小島茂之厩舎)。2歳の2戦は惨敗だったが、3歳になってからフローラSを勝ち、オークスでは4着だから、秋も楽しみな存在。今週の函館芝1800mからもそんな将来性溢れる勝ち馬が出てくるだろうか。
【7月20日(土) 中京芝1400m】
◆ペールエール(牡、父ダイワメジャー、母アピールII、栗東・安田隆行厩舎)
2017年セレクトセール当歳にて、3600万円で落札されているダイワメジャー産駒。半兄タングルウッド(父Siyouni)は京都芝1800mの新馬戦を逃げ切り勝ち。ちなみにこのレースの3着が後の皐月賞馬となるエポカドーロだった。
本馬は6月5日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。6月19日にゲート試験を合格した後、本格的な追い切りを消化していくが、7月4日の坂路では4F51.3秒、2F24.2秒、1F12.0秒の動きには驚き。
M.デムーロ騎手が跨った、7月10日のCWでは1勝クラスの古馬を追いかけて、最後はきっちり追いついて先着。坂路でもトラックでも素晴らしい動きを見せている。
【7月21日(日) 中京芝2000m】
◆ヴァリッドブラック(牡、父ブラックタイド、母ヴァリディオル、栗東・中内田充正厩舎)
祖母はドイツで3勝を挙げており、オルフェーヴル産駒の半姉アンドラステ(3歳)は同厩舎で管理され、京都芝1600mの新馬戦で逃げ切り勝ちを決めている。
本馬は6月1日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩し、2週間後にはゲート試験に合格。その後は坂路、CWと併せ馬の追い切りをこなしていくが、あまり派手な動きを見せるタイプではない。
7月11日の芝馬場での3頭併せも真ん中で手応えは一番見劣る印象を受けた。だからといって置かれるようなことがあるわけでもないので、マイルの実戦でどんな走りを見せてくるかといったところ。鞍上は川田将雅騎手が予定されている。
◆ジュンライトボルト(牡、父キングカメハメハ、母スペシャルグルーヴ、栗東・友道康夫厩舎)
2018年セレクトセール1歳にて、1億2000万円という高額で落札されたキングカメハメハ産駒。全兄フェイズベロシティは芝中長距離で3勝を挙げているが、ロードカナロア産駒の半兄グルーヴィットはダート1400mで連勝するなど、意外とタイプが違う。
ゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、6月14日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。7月10日は芝馬場で併せ馬を行い、1勝クラスの古馬を追走して、しっかりと先着している。機敏さという点で物足りなさは感じるものの、素質の高さで動けているという現状かも知れない。鞍上は福永祐一騎手が予定されている。
【7月21日(日) 函館芝1800m】
◆ドゥラモット(牝、父ルーラーシップ、母シェリール、栗東・安田隆行厩舎)
半兄に2013年目黒記念を勝ったムスカテール(父マヤノトップガン)、全兄に5戦して芝で3勝を挙げているグロンディオーズがいる。本馬は2018年セレクトセール1歳にて、5600万円で落札されている。
栗東でゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出て、函館競馬場へ入厩。当初は先週の函館芝1800mでデビューする予定もあったが、1週延ばした方が良さそうということで今週になったが、7月10日の本馬場ではいい動きを見せた。
併せ馬を外に付けてという内容だったが、ゴール前の手応えは楽。この感じなら最終追い切りはもっといい動きを見せてくれそう。鞍上は北村友一騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)