28日(日)盛岡11R(発走18時10分)で行われる芝2400mの重賞「第41回せきれい賞/(株)優駿協賛
エスポワールシチー賞」に、ホッカイドウ門別から元JRAオープン馬
サラトガスピリット(牡7・林和弘厩舎)が遠征で挑む。
JRA在籍時はすべて芝(2200m-2600m)で計5勝を挙げ、オープンまで出世。2017年の目黒記念GII(11着)、アルゼンチン共和国杯GII(16着)等にも出走したが重賞の壁は厚く、
2018年6月の障害未勝利戦(東京芝3000m、12着)を最後にJRA登録は抹消となった。
現在管理する林和弘師によると、ノド鳴りの手術等を経るなどしてホッカイドウ競馬に転入。再起を期し、今年1月31日から坂路調教をスタート。今季開幕シリーズの後節、4月23日に行われた重賞「第9回
コスモバルク記念H3/1800m(外回り)」で戦列に復帰すると、圧勝した王者
スーパーステション以下に大きく離されはしたものの、
オヤコダカ、
ドラゴンエアル、
ステージインパクトら錚々たる実績馬らに次ぐ5着。地力の片鱗を示し、まずは関係者も安堵の復帰戦となった。
続く2戦目のA1下特別(5月8日)こそ「試してみたブリンカーが利きすぎて」(林師)序盤から引っ掛かり、思わぬシンガリ負けを喫してしまったものの、3戦目のA1下特別「
ノヴェリスト・プレミアム」では序盤後方から徐々に押し上げ、
オヤコダカ・
クラバズーカーという実績馬2頭に次ぐ3着に食い込んで復調をアピール。
その後も順調に使われており、転入4戦目のA1下特別「
キタサンブラック・プレミアム」では勝った同厩舎
アルティマウェポンにクビ差の2着。さらに5戦目、同「NOSAIみなみ特別」では門別再転入初戦のNAR
グランプリ2017年度代表馬
ヒガシウィルウィンから「3/4+アタマ+アタマ(時計差0秒1)」という本当に僅かな差の4着という接戦を続け、いよいよ往時に迫る好状態にまで復調を果たしてきた。
そのタイミングで迎える、待望の適条件「芝2400m」の重賞がこの「第41回せきれい賞」だ。JRA5勝の元オープン馬ということで輸送にも慣れっこ。前走時馬体重が518キロ、JRA最終勝利時(2017年4月29日、烏丸S)が512キロだったことを思えば、結果的に輸送で幾らか絞れたとすれば、却って好都合となるかもしれない。
門別転入から26日(金)まで、すでに計236本も坂路を駆け上がってきている
サラトガスピリットだが、24日(水)の最終追いでは井上俊彦騎手が跨って12秒0-12秒0-12秒5(3F=36秒5)の好時計をマーク。「順調に来ています」(林師)とのことで、あとは当日の好走に期待!ということになるが、林師はコーナーを6回通過する盛岡芝2400mについても「ある程度、前めで運べればクリアできるんじゃないかと思ってますよ」と好感触。岩手(盛岡・水沢)への遠征経験豊富で、2歳馬の北海道・岩手交流「知床賞」ではダントツ最多「4勝」を挙げている師の
ジャッジなら、乗ってみたくなる!? 向きも少なくないのではなかろうか。
鞍上には地元の若手ホープ・鈴木祐騎手を起用。昨年10月の前出「知床賞」で
ヤマショウブラックを重賞初Vに導くなど林和弘厩舎との縁もあるし、現下の盛岡の馬場状態等を熟知するアドバンテージもある。積極騎乗で、見事
サラトガスピリットに初重賞のタイトルをプレゼントしてみせるか。大いに注目したい。
(文=ひだか応援隊)