「三冠馬」。その偉大さ、重みというものを再認識されたファンの皆さんも、きっと多かったであろう今週。もちろん、そのステージ等により、見る側が受け止める「偉大さ」や「重み」に差異はあるだろうが、今夜の馬産地・門別競馬
グランシャリオナイター12R「第40回 王冠賞H2/1800m外回り、JBC協会協賛
サトノクラウン賞」には、ぜひ御注目いただきたい。
2010年、牝馬で初めて成し遂げた名馬
クラキンコ(父クラキングオー)以来9年ぶり、ホッカイドウ競馬史上では5頭目となる「三冠馬」に、
リンゾウチャネル(牡3・堂山芳則厩舎。父
モンテロッソ)&五十嵐冬樹騎手56が挑む。
1981年に
トヨクラダイオー(成田春男厩舎、父キタノダイオー)が初の三冠馬に輝き、1999年に
モミジイレブン(鈴木英二厩舎、父サッカーボーイ)が2頭目の栄冠に。翌々年の2001年、
ミヤマエンデバー(父ダミスター)が成し遂げ堂山芳則師が初めて“三冠トレーナー”となると、2010年にも上記
クラキンコで達成。
そして今夜。
きっと、世界を見渡しても稀有であろう「3頭目の三冠馬トレーナー」に
リンゾウチャネルで挑む。達成となれば、21世紀に入ってのホッカイドウ三冠馬はすべて堂山師が育て上げたことになるのだが、果たして。
また鞍上の五十嵐冬樹騎手は、史上初めて「生え抜き」で通算2000勝を達成した名手だが「三冠馬」のエスコートは初。さらに、今夜9年ぶり誕生の暁にはもう一つ、注目
トピックスが用意されている。2016年から制定されている、いわゆる「三冠ボーナス」2000万円を初めて受賞する三冠馬となれるかどうかである。
御記憶の皆さんも多いかと思うが、ボーナス制定以降、
スティールキング(角川秀樹厩舎)と
ベンテンコゾウ(水沢・菅原勲厩舎)が北斗盃H3(出走当時)・北海優駿(ダービー)H1を制して王手を掛けながら、最後この王冠賞H2でそれぞれ
ジャストフォファン、
スーパーステション(いずれも鞍上は阿部龍騎手)に阻まれた経緯がある。
今夜、またもや三冠を阻む強敵が現れ「二度あることは三度」となるのか、
リンゾウチャネルが無事「三度目の正直」を果たしてみせるのかーー。もし後者なら、堂山師にとっては「二度あることは三度!」となるのだが。
特に「距離設定」の面で大きな変遷を経てきた「ホッカイドウ3歳三冠」だが、この王冠賞H2が「2600m→1800m」と短縮されて以降「1600m内回り→2000m外回り→1800m外回り」で固定。二冠馬にとっては、よりタフな2000mをクリアしたうえでの最終戦1800mということで、獲りやすく感じるところではあるだろう。
今年は、一昨年
ベンテンコゾウの夢を阻んだ
スーパーステションのような“超新星”候補も見当たらない印象だけに、同じ外回りの北海優駿(ダービー)2着
リンノレジェンド(牡3・林和弘厩舎。父
トビーズコーナー)、北斗盃H2・北海優駿(ダービー)H1ともに3着
シベリアンプラウド(牡3・田中淳司厩舎。父
トーセンホマレボシ)、北海優駿(ダービー)4着
ダイキンボシ(牡3・角川秀樹厩舎。父
フリオーソ)らが順当に相手候補となりそうだ。
今夜の門別最終(=メイン)12R、発走は20時40分。幾重もの快挙達成が懸かる大一番、何とぞお見逃しなく!
(文=ひだか応援隊)