先週も8時には気温が30℃に達するということを記したが、今週も全く同じ。4時半頃に27℃という日もあったくらいで、先週よりも熱がこもっている、そんな栗東。夕立などもないので、湿気が多いのも今年の暑さの特徴かも知れない。
追い切りも軽めに済ませるケースが多かったり、乗る時間を工夫している厩舎も多数。8日木曜日の調教時間後半は馬場に馬がいないような時間もかなり多かった。もうしばらくはこんな状況が続きそうだ。
【坂路/4F51.9秒】
8月7日。一番時計は4F49.7秒の
アンヴァル(栗東・藤岡健一厩舎)。これは自己ベストを1秒も更新する時計だが、ここまでの数字が出たのは3F目11.6秒というラップだろう。この日の3F目ラップとしては最速だが、11.7秒が前日のトレセンニュースで取り上げた
モズスーパーフレア(栗東・音無秀孝厩舎)。
ちなみに4F目最速は11.5秒で
ディアンドル(栗東・奥村豊厩舎)。この3頭はすべて北九州記念(8月18日・小倉芝1200m)に出走予定だが、どの馬もさすがの脚力を見せる動き。ス
プリンターS(9月29日・中山芝1200m)はまだ1ヶ月以上先になるが、電撃の6ハロン戦に向けて、すでに熱い戦いが始まろうとしている。
8月8日。一番時計は
パディオアヘッド(栗東・森秀行厩舎)の4F51.3秒。一番時計が前日よりもかなり遅くなっているが、そもそもの追い切り頭数が少ないので、この差が馬場差というわけではない。
この日も北九州記念の1週前追い切りを行っている馬がいたが、その中の1頭が昨年の覇者、
アレスバローズ(栗東・角田晃一厩舎)。単走での追い切りだったが、1Fごとにしっかりと加速していくラップを踏み、3F目は11.8秒。これを刻んだ後は、右ラチから馬場中央へヨレているようにも見えたが、最後も12.0秒でまとめている。4F52.8秒はこの馬にとっては遅い部類になるが、動き自体は悪くない。
先週の馬場差は「-0.7秒」。4F時計で見れば、先週よりも時計を要しているようにも思えるのだが、やはり2F時計は速い。坂路に関しても、全体よりは終い重点といった追い切りを行っている厩舎が多く、その影響による時計だろう。よって、今週の馬場差は先週と同じ『-0.7秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
8月7日。先週もお伝えした3F時計だが、37秒切りが8頭もいた先週に比べると、今週は1頭しかいなかった。37秒台の頭数はそこそこいるので、決して走りにくい馬場というわけではないが、先週よりは時計を要している印象。
理由としては雨が降っていないことだろう。雨が降った方が馬場が悪くなるというイメージがあると思うが、今の時期はその逆。乾燥しすぎるとウッドチップが上滑りしたり、クッションが重かったりするので、力が必要になる。乾き切ったダート馬場はハローをかけると砂煙が舞っており、水分がないのはウッドチップも同じ。散水はしているとのことだが、それでは追いつかないのだろう。
8月8日に関しては、2回目のハローが終了した時間帯にはほとんど馬が入場しないなど、追い切り自体もかなり少なかった。
先週の馬場差は「-0.9秒」。馬場状態としては水分が少なく、少し力がいる状態。よって、今週の馬場差は7日、8日とも『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
先週から走りやすい芝馬場だが、追い切り頭数は少ないものの、5F60秒を切る馬がいたくらいなので、馬場が硬くなってきているのかも知れない。今週の馬場差は7日、8日とも『±0.0秒』で記録している。
なお、ポリトラック馬場はリフレッシュ工事のため閉鎖中。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)