心配された雨の影響はそれほどなく、差しも十分に届く盛岡競馬場ダートコース
まず、盛岡競馬場の馬場の様子をお伝えしたい。先週8月5日(月)の盛岡競馬12Rは天候不良のため競走取り止めになり、翌日6日の夕方には一時的な豪雨で7日の朝・調教時には内・外ラチ沿いはかなり砂が流されたあともうかがえた。8月10日(土)の開催では、当日朝7時から1時間ほどの雨の影響もあって終日稍重で開催された。時計が速くなりレースは逃げ・先行有利かと思われたが、『岩手ケイシュウ』独自の馬場指数では97(マイナス0.3秒)。平均的な馬場でレースは行われていた。各ジョッキーたちが道中でインを少し開けて競馬をしているところ見ると、バックストレッチに限っては内ラチ沿いが少し深いようだが、直線で外へ持ち出して差し馬が届いていることから、脚質的に有利不利はない。盛岡競馬場は山の上にあることから天候が変わりやすい競馬場ではあるが、当日12(月)の天気予報から、良馬場で行われそうだ。
想定されるタイムだが、前年の勝ち馬オウケンビリーヴの走破タイムが1分09秒1(『ケイシュウ』の馬場指数85、マイナス1.5秒)。土曜日の馬場状態から考えるとクラスターC当日の馬場は標準のプラスマイナス0くらいで、今年の推定勝ちタイムは1分10秒前半〜半ばとなるだろう。
最後にペースだが、過去10年でハイペースは2回。ミドルペースは7回、スローペースは3年前のダノンレジェンドが斤量60kgで制したときのみ。1200だからといって先行馬がやり合うことは少なく、今年も落ち着いた流れで力勝負となるだろう。今年の出走馬を見渡すと、スピードで押す4歳馬ヒロシゲゴールド、7歳馬ショコラブラン、ノボバカラは直線の坂を登ってからどこまで踏ん張れるかに注目。今の馬場であればヤマニンアンプリメ、藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングが届く可能性は十分にありそうだ。
(文=競馬専門紙『岩手ケイシュウ』編集長・峯村正利)