2歳王者決定戦となる朝日杯フューチュリティSの前哨戦だが、キャリアの浅い馬同士で難解だ。今年は少頭数になったが、小倉2歳S優勝馬と、函館2歳の1、2着馬が顔を揃えて注目の1戦だ。
長い直線を味方にできそうなのが◎
タイセイビジョン。函館2歳Sでは絶望的な位置から出走メンバー中唯一となる34秒台の末脚を繰り出して2着となった。父
タートルボウルはフランスの名マイラーで、その産駒にもマイラーが多い。日本では小倉記念、小倉大賞典の
トリオンフや、ダート
グレード競走で活躍中の
アンデスクイーンなどの中距離型にシフトしているが、
ダイムダイヤモンドからナイトシフトへとさかのぼるノーザンダンサーの
スピード分岐だ。母ソムニアは2009年の函館2歳S3着馬。スペシャルウィーク×エルコンドルパサーというステイヤー血統ながら、短い距離の舞台で、強烈な決め手を武器に活躍した馬だった、
タイセイビジョンのレースぶりは、母ソムニアのそれと重なる部分もある。決め手になれば、一日の長がありそうだ。
小倉2歳Sの覇者○
マイネルグリットはジャパンカップ優勝馬スクリーンヒーロー産駒で、デビュー戦は中京競馬場の芝1600m戦だった。母の
マイネショコラーデは函館2歳S2着馬で、祖母コスモヴァレンチは小倉2歳Sの優勝馬。仕上がりの早さは母方ゆずりだろうと思う。レースぶりからは瞬発力よりも長く良い脚を使うタイプのようにも見えるので、もしかしたら長い直線は必ずしも有利ではないかもしれないが、父方から受けた豊富なスタミナで我慢してくれることを期待したい。
▲
ビアンフェが函館2歳Sで記録した前半3ハロン33秒6は、開催の最終週であったということと、そのラップを2歳7月に記録したという点で驚きだった。半姉
ブランボヌールが函館2歳Sの覇者で、母ルシュクルも2歳夏の北海道シリーズで2勝。
スピード能力が高い分、1ハロンの距離延長と長い直線に対する適応力が鍵となりそうだ。
△
カイトレッドは札幌2歳S2着
ナイママの半妹。遠征したりんどう賞では出走メンバー最速の上がりタイムで勝ち馬とはコンマ3秒差。差す競馬に対応できたので長い直線を味方にできれば一角崩しも。昨年のききょうS優勝
イッツクールの全弟△
グレイトホーンも同様で、デビュー戦で土をつけられた
サクセッションがアスター賞を勝っている比較からも無視はできない。