母の産駒はコンスタントに勝ち上がっているダイワクンナナ(撮影:竹之内元)
先週日曜日に東京競馬場で行われた新馬戦では、2代母にアドマイヤグルーヴがいるスカイグルーヴが見事デビュー勝ちを果たした。
今週の新馬戦にも良血馬がデビューを予定しており、土曜日に行われるデイリー杯2歳Sでは2戦2勝のサクセッションなどが出走を予定している。そちらにも注目していきたい。
【11月10日(日) 東京芝1600m】
◆ダイワクンナナ(牝、父ノヴェリスト、母ダイワスカーレット、美浦・国枝栄厩舎)
アグネスタキオン産駒の母は桜花賞、有馬記念などGIを4勝した名牝。伯父にダイワメジャー(皐月賞、天皇賞・秋などGIを5勝)がいる。母の産駒は大物こそ出ていないが、異父姉のダイワレジェンド(4勝)、ダイワミランダ(2勝)、ダイワエトワール(現3勝)、ダイワメモリー(現3勝)がコンスタントに勝ち上がっている。
ゲート試験は6月に合格済み。当初は7月の福島デビューを目指していたが、じっくりと牧場で乗り込んで成長を促した。再入厩後は坂路を中心に追い切りの本数を重ね、ひと追い毎に時計を詰めている。「馬格もあるし、素直な気性で扱いやすい。この血統らしくスピードの持久力がありそう」と国枝栄調教師。鞍上は北村宏司騎手を予定している。
◆エルメーム(牝、父ブラックタイド、母エールドクラージュ、美浦・高木登厩舎)
阪神牝馬Sなど重賞4勝を挙げたミスパンテールの異父妹。近親にはウインラディウス(重賞3勝)、ウメノファイバー(オークス)、サンデーウェル(セントライト記念)がいる。「しっかりと稽古をやれているし、水準以上に動けている。ゲートの出も練習や試験では速いし、軽い走りで芝向きだと思う。気性も前向きで距離的にはマイル前後が合いそう」と高木登調教師。同日の芝1800mと両睨みだが、どちらでも大野拓弥騎手が手綱を取る予定だ。
【11月10日(日) 東京芝1800m】
◆サトノワールド(牡、父キングカメハメハ、母ギーニョ、美浦・国枝栄厩舎)
2017年のセレクトセールに上場され、取引価格は9720万円。伯母にトゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)、伯父にサイレントディール(重賞3勝)、いとこにトゥザグローリー(重賞5賞)、トゥザワールド(弥生賞)、デニムアンドルビー(重賞2勝)など一族には多くの活躍馬が並ぶ。ゲート試験は5月に合格済み。
夏場は牧場で乗り込み、秋になってから再入厩。ダイワクンナナと同様、坂路を中心に追い切りの本数を積み重ねてきた。「もう少しピリッとしてきてほしいところがあるけど、血統的にも素質は感じる。まだまだ良くなりそうだし、しっかりとしてくれば楽しみ」と国枝栄調教師。鞍上は横山典弘騎手を予定している。
【11月9日(土) 福島芝2000m】
◆シーズンズギフト(牝、父エピファネイア、母シーズンズベスト、美浦・黒岩陽一厩舎)
祖母のシーズアンは英GI・チェヴァリーパークSの勝ち馬。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、10月中旬に再入厩した。先週の追い切りはウッドチップコースで古馬との併せ馬。力の要る馬場でもしっかりと動けていた。
「まだ芯が入り切っていないけど、心肺機能がいい。素直な気性で動きもいいし、初戦から楽しみにしています」と黒岩陽一調教師。鞍上は丸山元気騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)