毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【エリザベス女王杯(京都の芝傾向)】
京都の芝はBコース使用2週目。土曜は終日、良馬場で行われた。先週から直線部は内4m、曲線部は3m地点に内柵が設置されたが、コース全体に内寄りの傷みは進んでいる。下級条件では内&前も残るが、上級条件では差しが利き始めている。時計の出方は水準級。
土曜は、芝競走は6鞍施行(障害レースは除く)。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「7番手、1番手、1番手、6番手、9番手、5番手」。最終4コーナー先頭の馬が勝ったのは4R・2歳未勝利戦(内回り芝2000m)のシルヴェリオ、5R・2歳新馬戦(内回り芝1600m)を逃げ切ったイプシランテ。ただ、この2戦は2歳戦で内回り使用。この結果を古馬GIのエリザベス女王杯に即結びつけるのは危険か。
9R・宝ケ池特別(外回り芝1600m)は中団追走の3番人気サムシングジャストが4コーナーで外に出さず、馬群を縫って差し切り。同じ京都外回り1600mの11R・デイリー杯2歳Sは、後方を追走した3番人気レッドベルジュールが傷んで見える内ラチ沿いを突き抜けた。土曜時点では力のある馬なら、傷んで見える内ラチ沿いを通ってもまだOKの状況。
最終12R・3歳上2勝クラスはエリザベス女王杯と同じ外回り2200m。後方追走から最終4コーナーで5番手に進出した勝ち馬トーセンカンビーナ(1番人気)は、直線ではかなり外を通っていた。4コーナー入り口先頭で内ラチ沿いにいた2着馬スズカロングは、ゴール地点では馬場の中央。騎手心理的には、傷んだ内寄りはできれば避けたいのかも?
エリザベス女王杯はピッチが上がれば外差し台頭もある舞台設定。ただ、メンバー的にはS〜Mペース濃厚。好位組がVの近道か。